所属に向かうお手伝い

長男はお手伝いの好きな子で、
家事をしている私のところに来て「何かお手伝いしようか?」とよく言ってくれる。
お手伝いしたいという気持ちはとてもありがたいし、
そうやって家族に貢献しているんだって思える機会は
できるだけたくさん経験してほしいと思うので、
彼にできる範囲で、私の負担にもならないお手伝いをお願いできるときは
私もたいへん助かり、彼も喜んではたらいてくれる。
お味噌汁をついでもらったり、
食卓を拭いてもらったり、
洗濯物を干してもらったり、
タオルをたたんでもらったり・・・

しかし、こう私の都合のいいようにばかりはいかない。
忙しいしややこしいから手伝わないでほしいと思う場合も多々あるのだが、
彼からお手伝いを取り上げようとすると「そうすると子どもは何を学びますか?」と、
野田先生の声が聞こえてくるようになってしまった。
アドラー心理学基礎講座応用編を受講して、
私が感覚的に使っていた考えや技術に名前がついた。
すると気にしないふりとか自己欺瞞とかができなくなってしまった。。

「お手伝いをしたらお母さんのじゃまになるんだと思って、
 ぼくにはお手伝いをする能力がないと勇気がくじかれます。
 一緒に楽しくお仕事をしてくれないお母さんは仲間じゃないと思います。
 結果、家事はお母さんの仕事で、ぼくはお手伝いをしない方がいいんだなと学びます」
ですよね・・・。



私が困るのは主に2つの場合だ。
パターン1 私がしようとしている仕事を手伝いたがるとき
パターン2 私が終えた仕事を手伝いたがるとき


パターン1 私がしようとしている仕事を手伝いたがるとき
この場合、お手伝いの内容はたいていが長男が今までやったことのない仕事なのだ。
今まで彼のお手伝い琴線に触れたことのなかった仕事が、
急に魅力的に輝く瞬間があるらしい。
そしてその瞬間は、なぜか私の忙しいときに限ってやってくる。

昼食後の洗い物が残ったまま、私が夕食の準備をばたばたしていた日
長男「お母さん、ぼくお皿洗ってあげるよ!」
私 「え・・・?あ、ありがとう。でもいいよ、お母さんがすぐ洗うから」
長男「でもぼく洗いますので(^^)」
私 「・・・いや、でも今日はいいよ。こうすけってお皿洗ったことあるの?」
長男「ないよ(^^)」
私 「そうだよね。うーん、お皿割れちゃったら困るし、お母さん今忙しくて
   お皿の洗い方教えられないから、また今度洗ってくれるかなあ」
長男「大丈夫!ぼく、お母さんがお皿洗ってるのしっかり見てましたから!」
私 「・・・うー・・・わかりました。じゃあ割らないように、気をつけて洗ってね。」
長男「はーい気をつけまーす♪」
長男はイスを流しまで持ってきてその上に立った。
蛇口のレバーは手をうんと伸ばさないと届かない。
お皿を一枚一枚水で流し、それから水を止めて
洗剤をたっぷりつけたスポンジで一枚一枚ていねいになぜまわし、(こすっていない)
また一枚一枚丁寧に水で流してくれた。
水切りかごに置くのは私がすることにした。
洗い残しがあると、「あ、ここ汚れが残ってるからお母さんが洗うね〜」と
彼に断って洗い直した。
ものすごく時間がかかって、洗剤や水も大量に使っていたけれど、
「ぼくもうお皿ひとりで洗えるよ!お母さん助かった?」と
キラキラした笑顔で言われると、お手伝いを断らないで良かったと思えた。
おかげで夕食の時間も遅くなったが、でも私の都合を通すより、
私たちが仲間であることの方が大切だと思えた。
その後長男がお皿を洗ってくれたときは、もう少し短い時間で洗えるようになっていた。


パターン2 私が終えた仕事を手伝いたがるとき
この場合は、彼のお手伝いを断る理由は実はない。
私が終わらせたところなのに・・・どうせなら明日やってよとか思ってしまうのだけど、
今彼がお手伝いをしようと思っているところに水をさしたら、
次にそのお手伝いをしようと思う日は、おそらくもう来ないだろう・・・。

長男が幼稚園に行っている間に、きれいに掃除機をかけた日
長男「ぼく、掃除機をかけます!」
私 「え!今日はね、お母さん家中きれーいに掃除機かけてん。
   だから今日はいいよ、ありがとう。また今度してくれる?」
長男「いやだ!ぼく掃除機かけてみたい!」
私 「んー・・・お母さんはこれからお昼寝をしたいから、見とかないよ。
   掃除機自分で出して、使って、元通りに片付けられる?」
長男「いいよ!自分で全部できますから!」
私 「掃除機の使い方、わかるの?」
長男「うん知ってるよ!スイッチ動かして、コンセント差すの。」
私 「あ、コンセント差してからスイッチつけてね。
   それから、掃除機かけるときはゆっくり動かしてね。
   走ったらがつんがつんぶつかって、壁とかいすが傷ついちゃうからね。」
長男「わかりました!ぼくがどかーんって走ったら、
   おうちもばこーんってなって大変だもんね!そおーっと引っ張るね!」
長男は押し入れから自分の背より高い掃除機を出し、楽しそうにかけ始めた。
私が昼寝に行って戻ってくると、掃除機は元通りに片付けられていた。

長男がお手伝いをしたいと思ってくれるのはとても嬉しいことだ。
家事という仕事をいいなと思ってくれているっていうことだし、
私や家族の役に立ちたいって思ってくれているっていうことだから。
しかし、実際に私の仕事を軽減させようと考えてお手伝いをさせたら、
たぶん彼の仕事ぶりを評価することになって、
彼はやる気を失ってしまうだろう。
お手伝いの成果、たとえばお皿や家がきれいになることを目的にしてはいけない。
彼がお手伝いを通じて何を学ぶか、ということを見ていたい。
次男のお手伝いについて考えると、納得できる。


1歳半の次男も、お手伝いが好きなのだ。
・小さなゴミを見つけるのがとても上手で、
 以前は拾ったゴミを私に渡してくれていたのだが
 最近は押し入れのドアを開けて、中にあるゴミ箱にゴミを入れて、またドアを閉める。
 (なぜゴミ箱が押し入れにあるかというと、次男が触らないようになんだけれど 笑)
・私が「洗面所のドア閉めてね〜」と長男に言うと、次男が閉める。
・おもちゃをおもちゃ箱にお片付けしてくれる。
・食事が終わると、机の上にあったティッシュで机をごしごしこすってくれる。
 汚れを広げているように見えるけれど、次男はきれいにしようというつもりだ。
・食事が終わると、机の上の食器をひとつずつ、頭の上まで持ち上げる。
 私が流しに持って行くようにと渡してくれるのだ。
 残っているお汁とかがこぼれそうでひやひやするけれど。。。
・取り入れた洗濯物を、「ベッドの上に置いてきてくれる?」とお願いすると、
 両手でかかえてベッドの上に置いて、また戻ってきて別の洗濯物を置きに行ってくれる。
・お外に行くよと言うと、「たあた!たあた!」と言ってくつしたを取ってくる。

1歳半の子も、ずいぶんと世の中のしくみがわかっているということに驚く。
実際に次男のお手伝いは、私の仕事を増やすことの方が多いのだけれど、
私は次男に対して、ちゃんとした仕事を求めてなんていないので、
成果がなくてもまったくめんどうだとは思わない。
次男のお手伝いを取り上げようとは思わない。
それならば、長男に対しても同じように、仕事の成果は別にして、
一緒に楽しく仕事をしながら暮らしていくというコミュニケーションとして
お手伝いをとらえることだってできるはずだ。


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by Inahoadler | 2016-03-08 23:42
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