寝食を忘れて

最近、皆揃って食事をすることが難しい。
長男が遊びに忙しく、食事の準備ができても
なかなか食卓に着いてくれないからだ。
3回「ご飯食べよう」と言っても、
「ちょっと待って!」と応えられると私は陰性感情がわいてくる。
だが、皆でいつも楽しく食事をしたいのならば、
私が陰性感情を持っていてはいけない。
私がすべきことは、
「なかなか食卓に着こうとしない」という長男の不適切な行動の中にある
適切な行動や、彼のストレングスを探し、
彼が食卓に着けるように彼を勇気づけることだ。


ある晩、夕食がもうすぐ出来上がりそうなときに
長男は久しぶりにレゴ(ブロック)で遊び始めた。
ご飯もお風呂も寝る時間も、全部遅くなりそうだと思い
私にいらいらとした陰性感情が生まれた。
私 「ねえこうすけ、もうすぐご飯できるよ。」
長男「うんわかったー」
長男はかなり熱中して作っているらしく、生返事をした。
私はもっといらいらしたが、彼のストレングスを探すことにした。

一瞬も手を休めずに、ずっとカチャカチャとレゴで何か作っている音がしている。
彼は一生懸命に遊ぶのだ。それにものすごい集中力がある。
しかし一生懸命遊んでいるのにも関わらず、
さっき、私の言葉に対してちゃんと返事をしてくれた。
よし、陰性感情を制御した。夕食もできた。

私 「こうすけ、ご飯できたから食べよう。」
長男「えーぼくまだお腹すいてないー」
私 「そう・・・。でももうすぐ6時半だし、ご飯の時間だよ。」
長男「でもお腹すいてないから食べない。」
   私に陰性感情が生まれた。(早っ・・・)
私 「・・・おやつ食べ過ぎたんじゃないの?」
長男「そんなことは、ありません」
私 「えーだってご飯の時間なのにお腹すいてないなんて、おやつを食べ過ぎだよ」
長男「・・・あ、お腹すいてきたかも!」
   ちょっとかわいいな、と思えて、私の陰性感情が収まってくる
私 「そう、それなら良かった。一緒にご飯食べよう。」
長男「ちょっと待って!これ作ってから・・・」
私 「・・・わかった。先にしゅんすけに食べさせとくね。でも早くおいでよ。」
長男「はーい!」

6時40分になった。長男はまだレゴに熱中している。
私 「こうすけ、ご飯食べようよ」
長男「んーもうちょっと待って。」
私 「ねえこうすけ、8時に寝るんでしょ?」
長男「うん」
私 「8時に寝るためには、早くにお風呂に入らなきゃいけないでしょ?」
長男「うん」
私 「早くお風呂に入るためには、早くご飯を食べなきゃいけないでしょ?」
長男「うん」
私 「だから今ご飯食べよう。もう6時半過ぎたよ。」
長男「うんでももうちょっと待って。」
私 「・・・うん。でも急いでね。」
長男「はーい」

長男「ねえお母さん、今何作ってると思う?」
   まだ食べに来ないんかい、と陰性感情が起きる私。
私 「さあ・・・」
長男「これは、すごいんだよー。プロペラがついててねー・・・」  
   彼は私を仲間だと思ってくれているから、自分の話をしてくれるんだ。
   だから私は彼の興味に関心を持とう。彼の話を聞こう。
私 「そうなんだ。」
長男「でね、人も乗れて・・・ほら!見て!ここすごいでしょ!くるくる回るんだよ!」
   長男は興奮して食卓に来た。
私 「あ、すごい!そんなことできるんだ、プロペラにタイヤがついてる!」
長男「すごいでしょ、これは、こっち向きにもこっち向きにも、
   どっち向きにでもタイヤが動くんだよ。どこにでも行けるの!」
私 「へえ〜プロペラってそんな風に使えるんだ・・・すごいねえ」
長男「へへへ・・・」
そして彼は誇らしげに立ち去った・・・

「ご飯食べよう」と言いたいけれど、
言ったところで「ちょっと待って」と言われるだけだから
今度は何も言わないで待つことにした。

6時50分頃、長男がまたレゴを持って食卓に来た。
長男「見て!ほら、こっちにもタイヤついたよ!」
私 「あーほんとだね。」
長男「すごいでしょ!」
私 「うん。・・・あの、こうすけさん、8時に寝たいんだよね。
   そのためには、お風呂に早く入らなくちゃ。」
長男「あ、そうか。」
私 「そのためには、ご飯早く食べなくちゃ。」
長男「あ、そうか。」
私 「もう7時になっちゃいますけど・・・」
長男「あ、そうか。・・・ご飯食〜べよう!」
私 「うん!食べよう!」
その後は楽しく夕食を食べることができた。


長男は誰に似たのか非常に口が達者で、
生意気な言い方をしたり、調子よく発言を変えたりするので
私はそれを良くないことだとよく裁いてしまうのだが、
裏を返せばそれは、語彙が豊富で表現が豊かであるとか、
臨機応変な返答ができる、とも言える。
そして彼がかなり論理的に話をできる人だから、
私が論理的に話をすれば、きちんと理屈をわかってくれるのだ。
理屈がわかったところで私の望み通りに行動してくれるわけではないけれど、
彼はいつも私に協力しようと思ってくれているから、
自分のやりたいことが片付けば、私に協力してくれる。
時には自分のやりたいことを止めて、私のお手伝いをしてくれることだってある。

彼を変えたいという思いを、傲慢な私はまだ持っているけれど
多分あまり有益な考え方でもないのだろう。
私が彼をどのように見るのか、どのように接するのか。
まずはそれを変えよう。


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by Inahoadler | 2015-11-10 23:02
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