砂まみれの英雄

幼稚園バスのお迎えに行くと、
息子のおでこは少し腫れて赤くなっていて、頭は砂だらけだった。
本人はただいま〜とご機嫌な様子だが、
私には不安や心配という陰性感情が生まれた。
お友達とケンカしたのかな?
いや、それならいいけど、もしかしていじめられた?意地悪をされた?
でも陰性感情を見せてしまうと、何が起きたのか知らせてもらえないだろうから、
努めて何気ない様子で尋ねてみた。


私 「あれ、おでこが赤いね。痛くない?頭に砂もついてるけど、どうしたの?」
息子「あ、これは、たぶんTくんがシャベルでばんってしたときのだと思うわ〜。
   あ、おんぶバッタ発見!」
   Tくんって誰?なんで頭叩かれたの?しかもシャベルで?
   ・・・でも息子はほんとうに何でもなさそうに言うから、彼は平気みたいだ。

私 「へえ・・・大丈夫なの?」
息子「うん、ぼく痛くなかったよ、あ、バッタ逃げちゃった!」
私 「こうすけが大丈夫なら良かった。
   でもなんでTくんはシャベルで頭叩いてきたの?」
息子「なんか怒ってたみたい。ぼくも一緒に遊んでたんだけどね、
   ぼく何にもしてないんだけどシャベルでばんってしてきたの。だめだよね。」
私 「えー!だめだよね。」
   思わず陰性感情があふれ出る私。

息子「うん。でもTくん小さい組さんだから、
   お友達をシャベルで叩いたらだめだって知らなかったんじゃないかな。」
   年下の子がかんしゃくを起こして、
   側にいたこうすけを叩いてしまったということなのかな。
   息子はTくんの失敗だと認識しているみたいだ。私よりずっと大人だわ・・・

私 「え?でもこうすけは小さい組のときも、お友達叩いちゃだめだって
   知ってたでしょ、Tくんも知ってるんじゃない?」
息子「うーん、ぼくは知ってたけど、Tくんは知らなかったんだと思う。
   ぼく、やめてって言ったらやめてくれたよ。
   ぼくはお兄さんだから怒らないんだよ。」
私 「そうだったんだ。こうすけは優しいお兄さんなんだねえ・・・」
息子「うん♪どうして怒って叩いちゃうんだろうねー。」


息子は自分でやめてと主張して、
お友達が聞き入れてくれたからそれでいいと思っているようだった。
年下の子にとても寛大なようだ。
自分が嫌な思いをしたときでも、相手を悪い人だと裁かずに、
適切な行動を知らなかったからだととらえ、相手の善意を信じている。
これはいわゆる相互尊敬相互信頼の関係なのかな?
息子はお友達とも良い人間関係を築いていっているのだなと、嬉しく思った。
私よりもはるかにアドレリアンな生き方をしているように思える・・・。

幼稚園も、子ども同士のトラブルにあまり介入しない方針のようで、
それも子どもの成長にとっていいことなんだろうと思った。
子どものトラブルは、子どもの課題だと
わかってはいるけど、つい介入したくなる親心・・・。
でもそれは子どもの、困ったことにどう対処するかという学びを妨げてしまうのだろう。


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by Inahoadler | 2015-10-09 15:01
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