恐竜ブームの効能

長男(もうすぐ5歳)には今恐竜ブームがきている。
毎日恐竜について熱く語り、恐竜図鑑を読み、恐竜のDVDを見て勉強している。
折り紙で折るのも恐竜
しりとりも恐竜(〜サウルスが多すぎて続かないけど)
ドレミの歌も恐竜(ドはドロマエオサウルスのド♪)
幼稚園の砂場では友達と化石の発掘作業に忙しく、
拾った石を金槌で叩いて割って、中から化石を見つけている。
彼には雲の形もコーヒーのかすも、すべてが恐竜に見えるようだ。
自分の身長も家の大きさも、すべての大きさは恐竜との比較で認識。
次男(1歳)の数少ないボキャブラリーにも「ぎょーうー(恐竜)」。
とにかく毎日が恐竜なのである。


私たち夫婦は理系の生物系なので、
恐竜の進化の過程や生態など、一緒になってかなり楽しんではいるのだけれど、
生物学的に誤った話を言われると、
それは違う!とつい本気(ムキと読む)になってしまう。
しかし幼稚園児相手に、
生物の発生過程について、遺伝子の突然変異について、
正確な理解を求める方がおかしい。
しかも1億年も前の生物のこと。
最近の研究で、今までの恐竜の常識がどんどんくつがえされているところでもある。
そんな不確かな生き物のために、
親子でどちらが正しいかと競合するなんて馬鹿げているではないか。
(いやそれ以前にもかなりクレイジーなところがあるとは思うけど)


私は彼に何を学んでほしいのかというと・・・
正確な恐竜の知識、科学の知識を学んでもらいたいわけではない。
そんなことより、私たちは仲間だということを学んでもらいたい。
そして、事実には正誤があるけれど、意見は多様だということも学んでもらいたい。
だったら・・・
息子の大好きなティラノサウルスは、本当は一番大きな恐竜じゃないけど、
彼が「ティラノサウルスが一番大きい恐竜なんだよ!」
って言い始めても、陰性感情を使って
「違う違う。一番大きい肉食恐竜であって、草食恐竜にはもっと大きいのもいたよ」
と言うのはやめなければ。
(マニアックだし大人げないわ・・・お恥ずかしい)

ある日、また息子がティラノサウルスが一番大きいと言ったので、
そうか息子は大きいのがいいと考えるんだ、と、彼の考えを想像してみた。
するとかわいいなと思えて、笑顔で会話を続けられた。
私「そっかあ、ティラノサウルスが一番大きい恐竜だったらいいなと思ってるんだね」
息子「うん、だって、ティラノサウルスが一番強いんだもん」
私「強いのが好きなんだ〜」
息子「そうだよ、お母さんだって食べちゃうよ。げいーんっておうちも全部壊しちゃうよ!」
私「ひゃーこわい!」
息子「あ、おはなしだけどね。ほんとにはならないから大丈夫だよ。だって昔の動物だからね。」
そう、この子は強いものが大好き。破壊も大好き。
でも、実際の暴力は嫌いだし、怖がる相手を安心させる優しい子だ。
おはなしが大好きで、きちんと理屈を理解できる賢い子だ。

私が彼の発言の誤りを正そうと思っている限り、楽しく会話は続けられないのだ。
ほとんどの正しさなんて、きっと恐竜ぐらいあいまいなものだ。

ご飯とおかずを交代に食べることとか、テレビは一日に1つの番組だけとか、
そういう私の考える正しい育児のルールについても、
お行儀よく食べることとか、テレビから離れて見るとか、
そういう正しい共通感覚についてでさえも、
私が彼を正してやろうと思っている限り、私は仲間ではいられないのだ。
私たちが仲間であり、他のひとたちとも仲間でいられるように、
彼が人々と協力しあって生きていけるように、
そのために正しい物事を伝えていかなければならないのだから、
私が彼を裁いていてはいけない。

さらに、誤っていることを信じていたりしてしまったりすることは、
不適切な行動ではなくて失敗なのだから、
ただ正しいことを優しく教えていけばいいのだ。
私「そうだね、ティラノサウルスはすごく大きいね。でももっと大きい恐竜もいるよね〜」
息子「うん、アルゼンチノサウルスとかね!」
私「・・・ん?」
正しいのかどうかマニアックすぎてわからない母でした。


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by Inahoadler | 2015-10-05 00:50
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