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隊員1号2号

あちこちへ大移動の夏休み。
母子3人で移動中の私の格好は、
もうすぐ2歳の次男(約11kg)を抱っこ紐で前に抱え、
キャリーを引っ張って、
肩にカバンをかけるという重装備だ。
炎天下はさらに気合いで日傘を差していた。
なので、長男(こちらも大きなリュックを背負ってヨロヨロ歩いています)が
私の隣を聞き分けよく歩いてくれないと大変困る。

移動中の大半は長男は機嫌よく、とても協力的で助かったのだけど、
やはりいつでもそういうわけにはいかない。


ある日。
都会の電車は路線が複雑だし、ひとつの電車でも行き先が車両によって違ったりして、
乗り慣れない私は緊張していた。
車内アナウンスを必死に聞き取ろうとしている私に、長男が何やかやと話しかけてきた。
私 「ちょっと今は黙ってて!」
長男「え、あのねお母さん」
私 「お願いだから今は黙って!」
長男「・・・」ふくれっ面をして、でも黙ってくれた。
私 「・・・この車両でいいみたいやわ。ごめんねこうすけ、静かにしてくれてありがとう。
   お母さんさっきの放送を聞いてたの。」
長男「そうなんだ、ぼくもそうかなって思ってたよ。」
私 「この駅から出るのはいろんな電車があるからね、お母さんもよくわからないねん。
   この電車は、前の3両がどこそこ行きで、後ろがどこそこ行きってホームでは聞こえてたんだけど、
   今乗ってる車両が前から何両目なのかわからなかったし、
   降りる駅にちゃんと行けるのかもわからなかったから、一生懸命聞いてたんよ。」
長男「ああ、前はなんちゃら行き後ろはなんちゃら行きって言ってたねえ」
私 「そうそう。ここに路線図があるでしょ。前の3車両はBの路線で、後ろの車両はAの路線に行くんだって。
乗ってる車両は7両目だからAに行くんだけど、
ほらAのところに降りるI駅があるでしょ。
だからこれに乗ってて大丈夫です!」
長男「へえーこれを見たらいいんだね。この電車はAとBに別れて行くの?すごいね。連結が外れるのかな?」
私 「そうかもね。このへんの電車はややこしいね。」
長男「そういえば前、途中で降りたことあったよね。あれは?」
私 「そうそう!あの電車はBの路線の電車だったんだよ。
だから、AとBに別れる前のY駅で降りて、A路線の電車に乗り換えたの。」
長男「あーそうだったんだ。それはそのまま乗ってたら大変だったね。でも今日も間違ってたら乗り換えたらいいじゃん。」
私 「うん。だから合ってるか間違ってるか、Y駅までに確かめなきゃってお母さんは必死だったの。怖く黙って!って言ってごめんね。」
長男「あーそうだったんだ。そりゃー大変だったね。ぼく必死になるのわかるよ!だってBの方に行っちゃったら、I駅に行けないもんね。」
仲直りもできてほっとした頃、I駅に近づいた。
すると近くの席で私たちの会話をにこにこ聞いていたおじさんが
「ぼうや、賢いなあ!お母さん、そこまでその荷物持ったるわ。」
と、キャリーを持って電車から降ろしてくれました。
ありがとうございました。

理由をちゃんと説明したら、このように長男はよくわかってくれるのだけれど、
いつもいつもこんなに理屈っぽく、彼の納得のいくように説明できるわけではない。



また別の日
駅のエレベーターに乗って、私が「『1』を押してちょうだい」と言うと
黙って『開』を押して、「あっ」とか言いながら『閉』を押す長男。
「『1』を押してちょうだい」
「…」(黙って『閉』を押している)
「私の声聞こえてる?」
「聞こえてる!」と不機嫌に言って、長男はようやく『1』を押した。
エレベーターを降りてホームに着くと、長男は私から離れたところで立ち止まろうとした。
困った…これから電車で1時間半の移動だ。
私の指示を聞いてくれないと危ないし大変だ。
私 「こうすけ、これから長い時間電車に乗るから、お母さんの言うことを聞いてくれないと困ります!
お外は危ないし、お母さんは荷物も多いから危ないことがあってもすぐに走れません。言うことを聞いてください!」
長男「…はあい」
長男は下を向いて嫌そうな顔をしている。
それもそうだよね、私陰性感情めっちゃ使ってるもんなあ…
そうだ、J先生の「船長さんの言うことは絶対です!」をお借りしよう!

J先生が長男をカヌーに乗せてくださったときに、
「船の上は危ないので、船長であるJ先生の言うことをきいてください。
船長の言うことは絶対です。いいですか?」
とおっしゃって、
こうすけ船員はノリノリで船長の指示に従っていたことを思い出したのだ。
あのときこうすけ船員は船長をたいへん尊敬し、たいへん協力的に働いていた。


私 「お外を移動中は、お母さんが隊長です!
おじいちゃんのお家に着くまではお母さんの言うことをきいてください!」
長男「お母さんが隊長?(^O^)」
急に目をキラキラさせる長男。よしうまくいった!
私 「そうです!そしてこうすけとしゅんすけが隊員です。
でも隊員2号のしゅんすけ隊員は、移動中は抱っこなのでお手伝いができません。
お手伝いができるのは隊員1号のこうすけ隊員だけです。よろしくお願いします!」
長男「わかりました!(^O^)/」
私 「こうすけがいろんなことできるのは知ってるんだけど、
隊員の間は、隊長が言った通りのお手伝いをお願いします!
1のボタンを押してくださいと言ったら、開や閉は触らずに、1だけ押してください!」
長男「わかりました!(^O^)/」
ありがとう乗りやすいこうすけ隊員(笑)
こうして無事におじいちゃんの家に着くことができた。
私 「お疲れさまでしたこうすけ隊員!無事に到着できました。これにて解散します!」
長男「(^^)…でもぼく疲れてないからお疲れさまって言ってほしくない。」
はいはい…


あくる日、おじいちゃんの家からひいおじいちゃんの家に行くときも
この隊員作戦でノリノリで移動することができた。
このときの隊長は、おじいちゃんにお願いをした。
私 「こうすけ隊員!これからひいおじいちゃんのお家に着くまでは、おじいちゃんが隊長です!おじいちゃんの言うことをよく聞いてください!」
こうすけ「わかりました!(`_´)ゞ」
なんと敬礼までしてくれた。


長男は任務があると輝くタイプのようだ。
お手伝いも大好きだし、弟のお世話も大好きだし、
いちメンバーとしての任務も喜んで担ってくれてよかった。
隊長と隊員は役割分業であって、ほんとうに横の関係だということがわかった。
これからも家事・育児隊長として隊員の養成に尽力します。
きっと隊員1号が隊員2号の養成を手助けしてくれることでしょう。

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by Inahoadler | 2016-08-09 15:35

重厚長大

外でたくさん激しく遊ぶ長男は、出かけるとどこかにけがをする。
でもけがをしても泣かないし、必ず「痛くなかったよ」と言う。

ひざにけっこうなケガをしたときに「これは痛かったんじゃない?大丈夫?」と聞くと、
「痛くないよ。大丈夫。」と、足をひきずりながらがまんしていた。
その日お風呂場で「しみて痛いからお風呂には入らない。」と言って
長男は片足立ちをして体を洗い始めたが、
しみて痛いと言っているのは、ひざではなくて足の裏らしい。
「え?足の裏にもケガしたの?」
「うん。貝殻みたいなので切ったみたい。」
「えー?ひざのケガ見せてくれたときに教えてよ。」
と言って足の裏を見ると、けっこう深い切り傷があった。
「あのね、お母さんはこうすけが大事だから、ケガをしてほしくないの。
 もしケガをしたら、早く治るように手当をしたいの。だからケガをしたらすぐに教えてくれる?
 ケガをほっておいて、膿んだりするとなかなか治らなくなっちゃうからね。」
「うん・・・」
少し強い語気になってしまったけれど、私の気持ちは伝わったようだった。

次の日の朝、長男は早くに目覚めて、ひとりで人体のしくみ図鑑を熱心に読んでいた。
「あのねお母さん、皮膚は、薄い皮が何枚も重なってできているんだよ。
 それでぼくのケガも、新しい皮膚ができてきたんだけど、なんかふくらんできちゃった・・・。」
見ると、ひざのケガから膿みが出て、水ぶくれもできている。
「こうすけ、またケガ触っちゃったの?これ、とびひになっちゃってると思うよ。
 皮膚科に行かなきゃ。」
「そっかあ。触るつもりはなくて、どうなってるのかなって見てただけなんだけど。
 とびひ?前にもなったよね。」
「うん・・・お願いだからケガしたところ触らないでね。」
私は知っている。彼は観察をしたりかさぶたをはがしたり、よくケガを触っている。
そして多分・・・
「もしかしてこうすけ、この水ぶくれをどうしたらいいか調べようと思って、
 体の図鑑読んでたの?」
「うん!・・・なんでわかったの?」
・・・ケガを痛いと言わない。ケガの心配をされたくない。ケガを観察したい。
強いことが大事なんだ。長男は。



旅行先や帰省先のさまざまな食卓で、
「これはちょっと辛いから大人だけね」というお料理が出されることがあると、
必ず長男は「ぼく辛いの食べれるよ!だってわさびも食べれたし、トウガラシも食べれるようになったし!」
と、辛い物を食べられるアピールをする。
それでその辛いお料理を食べさせてもらえる場合もあれば
食べさせてもらえない場合もあるけど、そういうときも
「ぼくほんとは辛いのも食べれるんだけどね、まあいいよ。」とアピールを忘れない。
彼の中で辛い物を食べられるというのは、男らしさの象徴らしい(笑)
仲良しの男友だちの誰がわさびを食べられて、誰がトウガラシを食べられるか、
何度も話してくれるし、
お父さんの方が辛いの食べれるんだよね。お母さんは辛いの少ししか食べられないよね。
と嬉しそうに話す。


重たい荷物を持てるのは誇り。
長旅でも疲れないのが自慢。
だから「重たくない?」とか「疲れてない?」とか聞いても、
必ず「重たくないよ!」「疲れてない!」という返事が返ってくる。
こちらはあなたの心配をして聞いているのですが・・・
長男は誰に聞かれても、殊勝な返事をする。
移動を終えて「おつかれさま」とねぎらうと、
「ぼく、疲れてないからおつかれさまって言ってほしくない」と不機嫌になる。
それ、疲れてるから不機嫌なんじゃないのかい?
ただのあいさつなのに、やりにくいなあもう・・・(^^;;)


背が高くなったのが嬉しい。
体重が増えたのが嬉しい。
高く跳べるようになったのが嬉しい。
速く走れるようになったのが嬉しい。
高くまで登れるようになったのが嬉しい。
側転や逆立ちがだんだんできるようになってきたのが嬉しい。
おすもうが強くなってきたのが嬉しい。
・・・
そうだね、男の子なんだね。
強い、大きい、重い、速い、辛い、高い、長い、
そういう形容詞がだいじなんだね。
恐竜ならティラノサウルス、動物ならライオン、昆虫ならカブトムシ。
君の好きなものはもちろんそうだよね。


我慢強くて、大きいものになりたいという彼のマッチョ思考は、
私は好きだ。
そんな彼に私が学んでもらいたいことは、余裕を残して見積もること。
長男は限界まで頑張るんだろうし、その限界も多分記録更新していくんだろうけど、
自分の今の実力はどのあたりかなって考えてほしいし、
余力を残して新記録に挑んでほしい・・・。
ああでも私は5歳児相手になんて無謀なことを望んでいるんだろう。
だいたい、こういう人は余力を残さず限界までやりきることに快感を感じるんだろうし。
・・・。

うん。困ったことが起きたときに、必要であれば彼のサポートをさせてもらおう。
その他は、彼の好みのやり方に任せよう。
長男は「助けなんていらない」って言いたいだろうけど、
人は助け合って生きていくんだということを学んでもらえるように、
上手につきあっていきたい。
助けが必要なときに求められるように、
そしてそれは弱いことじゃないんだとわかってもらえるように。



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by Inahoadler | 2016-08-03 01:26