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5歳児の成長

長男と約束した
乱暴なことをすると、夜ご飯をなしにするというペナルティは、
なんと約束した4日後に実現してしまった。

トランプの神経衰弱をして遊びたいと長男が言ったのだが、
私は七並べなら遊べるけど、神経衰弱は疲れているのでしたくないと言った。
すると彼はひじょうに怒り、「神経衰弱してくれないならこのトランプ捨てるよ!」と言った。
それはまっさらなトランプで、長男も私もとても大事にしていたので
彼のこの言い方に対して私は陰性感情を強く抱いた。
私 「ゴミじゃない大事なものを捨てるのも、乱暴なことだとお母さんは思うんだけど。」
長男「乱暴なことじゃないよ。」
私 「そうかなあ。・・・乱暴なことしたらどうするか覚えているよね?」
長男「・・・」
   長男はむっとした顔で私から離れていく。
   しばらくして長男は少し機嫌を直した様子で私のそばに来た。
長男「ぼく、神経衰弱じゃなくて七並べの方がおもしろいと思っちゃった~。七並べしよう」
私 「うーん、七並べするのはいいけど、お母さんはまだ遊びたい気分じゃないからちょっと待っててくれる?」
長男「え、なんで?」
私 「さっきトランプ捨てるって言われて、今お母さんは嫌な気分なの。落ち着くまで待ってちょうだい。」
長男「なんで?嫌だ、今遊ぶ!」
   長男は私を押し始めた。
私 「押すのやめてちょうだい。」
長男「嫌だ!」
私 「困るわ・・・」
   私はトイレに入って鍵をかけた。すると長男はトイレのドアを蹴った。
私 「あ・・・こうすけ蹴った・・・」
長男「ドア蹴ったけど、ルールはなしなの!」
私 「いや、そんなことできないよ。」
長男「できる!ルールは守らない方がいいんだ!晩ご飯食べるから!」
   言いながらガンガンドアを蹴る長男。
   ルールやぶる!っていつか言うだろうなと思っていたけど、
   こんなことならもっと楽にできるペナルティにしておけば良かったと思った。
   だけど決まりは決まりなので仕方がない。
   5分ほどして長男が落ち着いたので私はトイレから出て、夜ご飯の準備を始めた。


その日の夜ご飯は、豆腐と鶏ミンチのナゲット。
なんでこんなタイミングで…。
長男の好物の揚げ物は我が家ではスペシャルで、しかもこれは新メニューなのだ。
かわいそうな長男!
しかし長男は健気にも、「ぼく何かお手伝いすることある?」って言ってくれるのだ。
お皿を取ってもらったり、少しお手伝いをしてもらうと
「他にすることあったら言ってね。ぼくここから見とくから♪」
と長男は言って、椅子に乗って揚げ物が美味しそうにできあがっていくのを眺めはじめた。
なんていい子なんだろう…(>_<)
揚げたてのをひとつふたつ口に放り込んであげたい衝動に駆られるが、
ごめんね、母も有言実行のアドレリアンの端くれなのです。
「こうすけ、今晩一緒にこれ食べれないのお母さん悲しいわ。」
「ぼくは悲しくないよ。決まりは決まりだからね。」
「うん…。こうすけは偉いね。明日の朝食べようね!」
「うん!いっぱい残る?」
「いっぱい残るよ!たくさん作るから冷凍して、今度お弁当にも入れるからね!」
「わーい!」
うう…私の方が泣きそう…

長男は、次男と私が食べるのを横目に見ながら、食卓で絵本を読んでいた。
「しゅんすけ、おいしいっていっぱい食べてるね♪明日食べるの楽しみだな〜」
これは作戦なのか?
私は自分がほんとに悪い母親のような気がしてしまう。
でもこれは罰(おしおき)ではない。長男は心から納得して、陰性感情を抱くことなくペナルティを実行している。
なんということだろう。
こんなにいい子なのに、なんでトランプごときで暴力をふるうんだろうか。
いや、あれは私の対応がまずかったのもあるけど…
それなら今後、私が失敗する度に長男は夜ご飯なしになるのだろうか。
一晩中、私の方は嫌な気持ちでいっぱいだった。

不幸中の幸いで、体調の悪かった夫も夜ご飯は食べなかった。
夫が明日こうすけと一緒に食べるよと言ったので、長男はちょっと嬉しそうにしていた。
その夜長男は 夜中に目を覚ますことなくぐっすり眠り、
次の日の朝、たくさんの豆腐ナゲットやご飯を食べてご機嫌だった。
「でもね、ぼくこのルールはちょっと都合が悪いんだけど。変えたいなー」
「お母さんもそう思う!じゃあ、今は時間ないから、幼稚園から帰ってきたらお話し合いしよう!」
この人、ほんとにあの暴力をふるうワガママな人と同一人物とは思えないんだけど…

その日の夜ご飯を食べながら、また長男と相談をした。
彼なりに考えたようで、
遊びでピアノを弾かない
お昼寝しない
遊ばない
などの代替案を出してくれたのだが、
どれも乱暴することと釣り合わないペナルティに私には思えて、
そう伝えると納得して却下してくれた。
私の方からはおやつなしという代替案を提案したが、
それだけは絶対ダメ!だそうで、
結果、夜ご飯なしを継続することになった。
目下よい代替案を考え中だ。

それ以降、長男は1ヶ月半前からの長男とはまるで別人のように、
いい子でいることを選ぶようになった。
お互いにいいペナルティとは思っていないけれど、
みんなが困ることをすると、自分にペナルティを果たす責任が生まれるということを
長男はしっかりと学んでくれた。
そして私が、長男を罰したいとはまったく思っていないということを感じてくれた。
お互いに、仲良く暮らしていくためにどうすればいいのか、
工夫が必要だと考えられるようになった。
ペナルティは辛いけれど、おかげで私たちは本当に色々なことを学べたと思う。

さあ、来年はどんなことが学べるかな?
こうすけ、毎日ありがとう!

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by Inahoadler | 2015-12-31 23:17

5歳児と相談

エネルギーの有り余る長男の気に入らないことがあって、
私がトイレに閉じこもるということが三日続いた。

録画したテレビをひとつの番組だけ見るとお約束したのに、
見終わってからもうひとつ見たい!とか、
今絵本を読んでくれないと嫌だ!とか、
そういう些細なことで彼にスイッチが入ってしまって
物を投げたり、扉を蹴ったりするので
私は何も言わずに次男をベビーベッドに避難させ、
自分はパソコンを抱えてトイレの鍵をかけるのだった。
日ごとに私の籠城時間は短くなっていったし、
最後は「お母さん出てきてちょうだい」と言ってくれるか、
長男が静かになったのでトイレから出ていた私に
「お母さんあのね・・・」と落ち着いて話しかけてくれて、
騒ぎはおしまいになるのだけれど・・・。
こんなに乱暴することが日常になるのは嫌だなと思っていた。


長男の乱暴が続いた三日目、
楽しく夜ご飯を食べているときに、相談をすることにした。
私 「こうすけ、今日も壁とかトイレのドアとか蹴っていたけど、
   お母さんはそれがすごく嫌やねん。もう乱暴しないでほしいんだけど・・・」
長男「あ、そっか。うん、ぼくもうドア蹴らないよ!」
私 「よかった、ありがとう!
   ・・・でもさ、昨日もそう言ってくれたけど、こうすけは今日も乱暴したでしょう。
   だから、ドアを蹴らないっていうお約束を守れなかったときにどうするか、
   ルールを決めたいんだけどどう?」
長男「うん、ぼくお約束してたのに蹴っちゃったからね〜」
私 「蹴っちゃったってことはないんだと思うよ。蹴ったの。
   こうすけは、蹴ろうって決めて蹴ったんだよ。」
長男「うーん、決めたってわけじゃないんだけど。まあ、蹴ったか。」
私 「物を蹴るのは悪いことだってこうすけは知っているでしょう?
   だから蹴ったときにどうするか、決めたいの。」
長男「じゃあ、遊ばないっていうのは?」
私 「・・・誰が遊ばないの?」
長男「ぼくが、しゅんすけと遊ばない。」
私 「(笑)それは、がまんすることかなあ」
長男「うーん、がまんじゃない。」
私 「そうだね、こうすけががまんすることを決めるのがいいと思うんだけど」
長男「じゃあ、お手伝いしない!」
私 「(笑)」
長男「あ、お母さんががまんしちゃうね?」
私 「あはは、いや、お母さん別にがまんすることにはならないけど、
   お手伝いはしてもらった方が助かるね(笑)
   こうすけはお手伝いしたいんだね、ありがとう。

   たとえば、夜ご飯7時に食べようってお約束していて、
   7時に食べに来ないならご飯は出しませんっていうルールだとするでしょ、
   それなら、もし7時にご飯いらない〜って言ったら、ご飯食べれないの。
   これは関係があるルールだから、よくわかるよね?」
長男「うん、わかる。」
私 「そういうわかりやすいルールを決めたいの。
   ドアを蹴ったら、どうなるかな・・・?」
長男「割れる!」
私 「うん、割れるかもしれないね。そうしたら修理にお金がかかるから、
   その分のお金は割った人が払うのがいいね。」
長男「うん、じゃあぼくがお金はらおう!」
私 「そうだね、それはいいと思う。でもこうすけお金、ないでしょ?
   献金はもうすぐ幼稚園に出すし、残念ながら献金の分ではドア修理するには足りないし。」
長男「あ、そっか。どうしよう。」
私 「どうしようね。
   でも、ドアまだ割れてないから、次蹴っても修理しないでいいかもしれない。
   それにね、ドアが割れなくても、蹴ったらどうするかを決めたいんだけど・・・」
長男「うーん・・・」
私 「ご飯のことだったら、わかりやすいんだけどね。どうしようね。」
長男「・・・じゃあ、ご飯なしにする!」
私 「え?今度からドア蹴ったら、こうすけのご飯なしにするの?」
長男「うん、それでいい。」
私 「あ、ほんと?それでいいの?あんまり関係なさそうだけど?」
長男「いいよいいよ」
私 「そう、じゃあ・・・いつのご飯をなしにする?朝?昼?夜?」
長男「夜!」
私 「ほんと、じゃあ、今度からドア蹴ったり乱暴したら、こうすけの夜ご飯はなし、と。」
長男「うん!」
私 「じゃあ、もしも夜ご飯の後でドアを蹴ったら、どうしよう?
   その日の夜ご飯はもう食べちゃってるからなしにできないけど・・・。」
長男「うーん・・・じゃあ、次の日のご飯なし!」
私 「(笑)次の日のいつのご飯なしにする?」
長男「えっとね、昼ご飯!」
私 「あ、お昼は、幼稚園のお給食かもしれないよ。
   お給食を食べないってわけにはいかないから、朝か夜にしようか。」
長男「じゃあ、夜ご飯!」
私 「朝じゃないんだ(笑)
   じゃあ、前の日の夜ご飯の後乱暴したら、次の日どんなにいい子で一日過ごしていても、
   その日の夜ご飯がなしってことになっちゃうけど?」
長男「いいよそれで!」
私 「夜ご飯、お母さんは一番がんばって作ってるんだけどね・・・
   どうして夜ご飯なんだろう(笑)」
長男「だってね、こないだぼく、夜ご飯食べないで寝ちゃったでしょ、お昼寝してて。
   だからぼくは、夜ご飯たべなくっても大丈夫なんだよ!」
私 「(爆笑)なるほどね!」
長男「でもね、ぼくもうドア蹴らないよ。」
私 「ありがとう。それが助かるよ。
   今ルール決めたけど、もし今度ドアを蹴って、夜ご飯なしをやってみて、
   やっぱりあんまりいいルールじゃないなって思ったら、
   相談してルールを変えることはできるからね。」
長男「わかった。ルールは変えることできるんだね。」
私 「うん、でも、ドア蹴った瞬間に『夜ご飯食べる!』ってのはダメだよ〜。
   ルールを変えるのは、一回夜ご飯なしをやってからね。
   そうじゃないとルールの意味ないからね。」
長男「わかった。」
私 「あのね、ほんとは、お母さんはこうすけと一緒に夜ご飯食べたいんだよ。
   こうすけにおいしいご飯食べてほしいなって思って一生懸命作ってるからね。」
長男「うん、知ってるよ♪」
私 「だから、こうすけが暴れそうだなって思ったときに、
   『乱暴したら夜ご飯はなしってルールですけど覚えてますか?』って言ってもいいかな?」
長男「え、言わなくていいよ。」
私 「そう?でもルールのこともし忘れてたら嫌じゃない?」
長男「じゃあ、蹴っちゃったら教えて。」
私 「・・・ドア蹴った瞬間に、
   『あ!こうすけ、ドア蹴ったから夜ご飯なしです!』って言うの?(笑)」
長男「・・・うーん・・・」
私 「なんかもっと暴れそうだけど(笑)」
長男「うん(笑)ぼく怒りたくなっちゃうかも。じゃあ、先に教えて。」
私 「わかりました!」

   
長男とルールを決める相談をしてみると、なんと、ものすごく楽しかった。
こうやって物事を一緒に決めていけたらいいな・・・
自分の決めたことは大切なことのようで、
その後毎日「ぼく今日はドア蹴らなかったよ!だから夜ご飯食べれるんだ!」
と嬉しそうに言ってくれる。
この言い方だと、罰を怖れて適切な行動をしているように聞こえてしまうのだけど、
話し合った末に決めたルールなので、これはれっきとしたペナルティだ。
お互いに、少し大人同士のつき合いに近づけたかなと思う。


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by Inahoadler | 2015-12-20 00:16

空も飛べるはず

普段の長男はとてもいい子でいてくれる。
次男のお世話も大好き、掃除や料理のお手伝いも大好き。
絵本を読んだり折り紙を折ったり、工作をしたり、
ときにはぬいぐるみや積み木やミニカー(たまに次男も)が
大きな工作の潜水艦や飛行機に乗り込んで冒険に出かけたり、
庭で木の実を集めたり、近所の川を眺めてカモやサギと語らったり(?)、
考えながら遊んでいるなと嬉しく見守っている。
何かを作ったり発見したり、謎を解いたり、彼の日常は喜びにあふれている。

でも、長男は喜んでいるのに、
悪い顔や、悪い態度や、悪い発言をする場合があるのだ。
私に対して陰性感情が起こって、それで悪い子になろうと決めて悪いことをするのとは違う。
この場合は、いつもきれいなお姉さんが原因となるのだ(!)。
ピアノの先生しかり、私のお知り合いや友人しかり・・・
優しいお姉さん方は行儀の悪い彼を微笑んでゆるしてくださるのだが、
なんで好きな人にかっこいいところを見せられないかなあと私は思う。


先日も仲良しのお姉さんが夜ご飯に来られて、長男の様子はとてもおかしかった。
お姉さんを待ちかねていた長男は、
チャイムが鳴るやいなや、懐中電灯を手に玄関に腹ばいになってお出迎え・・・!
お姉さんにこんばんは、久しぶりだねとあいさつされても、
うなりながら床を照らしている。
いや、お姉さん部屋に入れないし・・・

だが、この懐中電灯には重要な意味があるのだ。
我が家の周りは電灯が無くて夜はとても暗い。
自転車で来られたお姉さんが帰宅するときに、電灯のある場所までお送りするために、
懐中電灯はナイトには必要不可欠なアイテムなのだ。
少し前にお兄さんが遊びに来てくれたとき、お見送りをして感謝されたのが
一人前になったようでとても嬉しかったみたいだから、
きっと今日もそのお役目を果たしたいのだろう。
だがもったいないことに、お出迎えのタイミングはちょっと早まりすぎだ!おしい!

夜ご飯の席に着くのもなかなかだったが、まあこれは仕方がない。
久しぶりにお会いするお姉さんに、まずは大好きな恐竜を紹介しなければいけないものね。
この恐竜は誕生日のプレゼントに私と夫が贈ったもので、
石膏に埋まった化石(多分プラスチック製)を、付属のノミやハンマーで発掘し、
組み立てるとカルノタウルスの全身骨格になるという
根気がすべてのおもちゃなのだ。
彼はプレゼントをもらったその日、晩ご飯も食べずに3時間かけて発掘した。
石膏の粉で手も顔も服も床も真っ白になり、興奮で頬は真っ赤だった。
組み立て作業は一人では難しかったらしく、
夫と一緒に組み上げたのも嬉しい思い出だそうだ。
組み上がったカルノタウルス(肉食)はアゴもがちがち動かせるし、足も屈伸できるし、
体がずいぶんと自由に動かせるので長男は大喜び。
共に恐竜のDVDを見るほどの仲良しだ。


食事中は、少しお腹が満たされると「ぼくお行儀悪くする!」と言って
ひじをついて目をつぶって背中を曲げて、
彼の考えられる限りの悪いお行儀で食べることもあり、
どうしてこうなっちゃうのかなと私に陰性感情が生じた。
一番陰性感情が起きたのは、「ご飯食べない!」と言っておかずだけを食べたときだった。
でも後で次男の好物のひじきふりかけを(次男から取り上げて)かけてご飯も食べたので、
私は落ち着いた。
相変わらず私は息子の食事に対して神経質である・・・。

デザートに、ヨーグルトを出すと、様子が少し変わった。
ヨーグルトにかけるジャムは、長男と夫が作った木イチゴとブラックベリーのジャム。
このジャムを作ったときの話をすると、お姉さんが驚いてくれて、
その上、とてもおいしい!と喜んでくれたので、
顔をくしゃくしゃにして手を胸の前で組んで、あふれ出す喜びを押さえようとしているのか
へへへへと照れ笑いをしていた。
お土産にひとビンお渡しすると、もう興奮が収まらないようすで・・・

急にイスから降りて、「ぼく縄跳び上手なんだよ!見て!」
と跳びはね始めた。
二重跳びでもできそうなぐらいの激しいジャンプでした。
そのまましばらく飛び続ける長男。
きゃーきゃー喜ぶ次男と楽しそうなお姉さん。
よかったねこうすけ!

それから彼は、お姉さんにお土産にもらったクッキーの箱を調べ始めた。
家の形をした細長い木箱で、ゆきだるまや靴下のかたちに窓が開いている。
この箱は屋根の部分が開く。
彼は上から懐中電灯を入れて点けると、
ランタンのように光が漏れてきれいなことを発見した。
そしてどうにかして懐中電灯を宙づりにして固定したいと考えた。
リボンを懐中電灯に結んでみたけれどうまくいかない。
長男「お母さん、これ、こんな風にとめたいんだけどやってちょうだい」
私 「う〜んお母さんもわからないなあ。あ、下に台を置いてみたらどう?」
長男「やってみる!」
しばらく静かなときが流れて私たちがおしゃべりに夢中になっていると、
「できた!見て!」と長男が叫んだ。
「わあ!どうやったの?」
「これ、トイレットペーパーの芯をここ(箱の底)に刺してみました!
 ほら、ちゃんと懐中電灯も乗ったし、ちゃんと光ってるのも見えます!」
「わあすごい!!」
彼は誇らしげにお手製ランタンを点けたり消したりして
お姉さんと一緒に、きれいな光だね〜と眺めて過ごした。

帰りはお姉さんを無事電灯のところまでランタンを持ってお送りして、
ぼくほんとに楽しかった!ジャム喜んでくれたね♪とずっと話していた。
お風呂入るよと言うとすぐにはーいと返事して入って、
いつの間にかとてもいい子になっていたのだった。

私 「ねえこうすけ、お姉さん来てくれて嬉しかったね。」
長男「うん、ぼくとっても嬉しかった!」
私 「ね、楽しかったね。・・・でも、どうしてなんか悪いことしちゃうんだろうね?」
長男「うん・・・ぼくもわからないな〜。なんか体がお行儀悪いことしちゃうんだよね。」
私 「笑 なんとかなればいいのにね。」
長男「うん、なんかぼくちょっと恥ずかしいのかも」
かわいいぞ少年・・・
わかりました、これは年齢が上がると共に消えていく不適切な行動なんでしょう。
でも多分中学生ぐらいまで続く、あれでしょ?
これは女の私には教えられない、自分で学んでいくことですね。
がんばれ少年!



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by Inahoadler | 2015-12-16 00:39

不買運動

長男はなかなかに意志が強い。
それは彼のとてもよいところだけど、気をつけてお付き合いしないと
私に反対するぞと心を決められると、どこまでも悪い子でいることを選ぶので
なかなかな事件が勃発する。


先日、ミニカーの電動式道路で遊びたいと長男が言った。
そのセットはロフトに置いていて、ハシゴをかけないと取れないのだけど
ハシゴは重くてお父さんに手伝ってもらわなければかけられない。
そう説明してあきらめてもらおうとすると、
長男は「じゃあぼくがハシゴかけるの手伝うよ!」と言った。
残念ながら長男の力ではかけられないので、明日の朝お父さんにお願いしようと言うと、
長男「いやだ!ぼくは今日大鉄橋セットで遊びたいんだ!」
私 「でも出せないよ。ごめんね。」
長男「いやだ!絶対に遊ぶ!」
こうなってしまっては仕方がないので、私は黙って毛布に掃除機をかけ続けた。

長男は本棚から絵本を次々に引っ張り出して、床にばらまき始めた。
陰性感情がかなり出る私。
長男は私の顔を見ながら、次男用の小さなすべり台から次々に絵本をすべらせる。
すべり落ちた絵本は、私が掃除している毛布の上にどんどん積み上がる。
・・・見事な邪魔だ。
私 「本は大事にしてください。」
長男「大事にしてるよー」
私 「すべり台すべらすのは大事にしてるとは思えないよ」
私をにらむ長男。(そして私もにらみ返した・・・)
私は黙って毛布を置いたまま、部屋から出た。

残された長男が子ども部屋の中でどたんばたんと暴れている音が聞こえる。
私は大事な布団掃除機を荒れ狂う長男から守るために
他の部屋の高い棚の上にしまい、
ノートパソコンを抱えて1階に降りて、トイレの中に閉じこもった。
次男はトイレのすぐ近くのベビーベッドの中で大人しく遊んでいる。
私は、長男が落ち着いて話できるようになるまで、黙って閉じこもることに決めた。
そして時間つぶしにブログを書き始めた。
(このとき書いたのが「うちのピエール」だ)

長男は私の気配が消えたことに気づいたのか、子ども部屋を荒らすのをやめて
どんどんと階段を踏み鳴らしながら降りてきて、
トイレのドアをがんがん蹴りはじめた。
力が強くなってきているので割れるかもしれないが、
ここはがんばって黙っておくことにした。
だって「やめなさい」とか「そうやって蹴っているとどうなる?」とか言っても、
相手が感情的になっているときは何の効果もありませんからね。
どうせ彼は「蹴る!」とか「壊れても蹴る!」とか言って、
私の陰性感情をよけいに引き出そうとするだけなのだから。

売られたケンカを買わない。
これがこんなに忍耐を必要とするなんてはじめて知った。
ということは、今まで私は子どもに売られたケンカをすっかりお買い上げしていたのだな・・・
うまくいかないときの私と長男は、権力闘争をしていたのだ。

長男は食卓のイスをばたんばたんとなぎ倒しているようだ。
荒れ狂う長男におびえたのか、泣き始める次男。
それに応えて叫び始める長男。ベビーベッドをがたがた揺する音も聞こえる。
だけどここが峠だろうと信じて、黙って「うちのピエール」を書き続けた。
ピエールはライオンに食べられても「ぼくしらない!」って言っていたけど、
たぶん彼もそれぐらいの粘り強さがあると思う。
ならば、対峙する私も彼を上回る根気強さで、
彼の不適切な行動に注目関心を向けないようにしなければならない。
これは勝ち負けのゲームじゃない。
早く彼に、このゲームが無意味であることをわかってもらって、
お互いに仲良く過ごせるような関係を回復させたい。

時折長男はトイレのドアを蹴りに来て、また別の場所を蹴りに行く。
もう40分ほどたった。
すると彼は、トイレのドアの鍵を外側から開けようとしはじめた。
・・・賢いもんですね。
でもここで開けられては困る(私に暴力をふるうだろうし)ので、
必死で鍵を内側から押さえた。
だんだん滑稽に思えてきた私。
陰性感情はずいぶんと小さくなっている。

鍵が開かなくてまた怒りがこみ上げてきたのか、
今まで以上にがんがんとトイレのドアを蹴る長男。
そして激しく泣く次男。
・・・いつまで続くのかと思ったそのとき、
「お母さん、出てきて。」と長男が言った。
話してくれた、嬉しいなと思った。
「うん、お母さんも出たいけど、落ち着いた?」
「落ち着いた。」
「そう、じゃあむちゃくちゃになったお部屋、お片付けしてくれるかな?」
「うんいいよ!」
「ありがとう〜」

パソコンを抱えてトイレから出ると、長男は既に子ども部屋の片付けに行っていた。
ベビーベッドの中から、次男がにこにこ手をふってくれた。
はあ・・・。
1時間の籠城から帰還すると、
食卓の周りはイスがすべて倒れ、
絵本が散らばり、次男のおもちゃが散乱し、タオルも散らばっていた。
おそらく2階もすごい惨状だろう。

しばらくすると長男が降りてきて、「お母さん、ぼくお母さんが出てきてくれてよかった!」
とかわいいことを言ってくれた。
家が酷い状況になったのは嫌だけれど、
長男と仲良くできるならばその方が大事なことだなと思った。
「こうすけが落ち着いてくれてよかった。お片付けは、自分でできる?」
「うん、自分でできるよ!ぼくそれはちゃんとわかっていますから。」


長男は自分で悪いことをしようと決めて、悪いことを止めようと決めた。
そして、自分で片付けをしてくれた。
それはとても嬉しいことだった。
私が一言も言わなくても、彼はきちんと自分で考えて適切な行動をしてくれたから。
トイレに閉じこもっている間、私は不安になった。
彼が暴力的な人になるんじゃないかとか、
これからも気にくわないことがある度に暴れるんじゃないかとか、
次男まで暴力をつかうことを覚えたら、この家壊れちゃうんじゃないかとか・・・。
でも、暴力的に振る舞っている限り、私が彼と向き合わないとわかってくれたら、
少なくとも私との間では、彼は別のやり方を試してくれるはずだ。
彼の暴力性に注目していては、このやり方が続いてしまう。

そういえば彼は若干2歳の頃、
当時住んでいた古い家で、ベビーチェアをなぎ倒し、
ふすまを蹴り外して、ベビーチェアの上に倒して大きな穴を開け、
茶筒を床に投げつけて辺りをお茶っ葉の海にし、
リモコンを投げて電池カバーを割り・・・
いろいろやらかしていた。
お米の袋を台にして、スプーンとフォークの入った引き出しを開けて、
すべてを一本一本ていねいに舐めてはもう一度引き出しにしまったこともあった。
あれは当時の彼が考えつく限りの悪いことだったのだろう。
彼は何が悪いことなのか十分にわかっている。
悪いことをしようと決めているのだ。

目標は、彼が悪いことで注目関心を得なくてもいいような関係を築くこと。
そのためには?
適切な行動にいつも正の注目を!
子ども部屋のドアが、長男が蹴りすぎて外れていたけど
そのドアを見てもう一度怒りを作り出すことに有効性はない。
そうそう、私は2歳の暴力的なエネルギーのあり余る長男との関係を改善したいと思って、
パセージを受けたのだった。
パセージを学んだ今私は、幸いなことに「私が」どうすればいいのか知っている。
あとは実践あるのみだ。

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by Inahoadler | 2015-12-15 16:23

すべては選択可能

パセージの実践の失敗を重ねていた約一週間に終止符が打てたのは、
珍しく外出先で長男が機嫌を損ねたときの出来事がきっかけだった。
私は他人の目があると、とても冷静になれるので
家の中では自分に甘く陰性感情という劇薬を使うけれど
外では使わないことができるようだ。
ならばきっと家の中でも使わないことを選べるはずだ。

ちなみに家での失敗とは主に・・・
長男がご飯を食べようとしない。
長男がお風呂に入ろうとしない。
長男が寝ようとしない。
という私の予定と違うことを長男がするときに、
いい加減にいうことをきいて!と怒ったというものだった。
恐ろしいことに、一度怒ると、
怒ることに慣れてしまった。
怒ると長男と仲が悪くなってしまうのに、
仲が悪くなることへの危機感が薄れてしまい、繰り返していた。
私の行動の目的は、
長男がご飯を食べてお風呂に入って早く寝ることで、早く風邪を治せるように
というもので、協力的なものだけれど、対処行動が間違っているのだ。
いつ、どれだけご飯を食べるか、
いつお風呂に入っていつ寝るのか、
それは彼の課題だからだ。
頼もしいことに我が息子は、
「いい加減にお風呂に入りなさいよ!」と怒るオニママの私に対して、
果敢にも「お風呂に入るのはぼくの問題だ!」と返事した。
はい、まったくその通りでございます・・・
(その後私は「そうですか!」と言い捨てて次男と2人で眠った。
 長男は1人で歯磨きをしてパジャマを着て、ぬいぐるみを抱えて、
 1人で別室に行って眠った。
 私がうるさく言わなくたって自分1人で全部できるんですね・・・。)
 
5歳児といえども、息子は他人。
彼がお風呂に入りたくなければ入らせることはできない。
私のお願いを彼にきいてもらいたいのならば、
まずは彼との仲が良くなければ何もはじまらない。
それなのに私が彼を怒っていると、彼と権力争いが始まってしまって、
もっと些細な、彼にとってはなんの意味もないことまでが、
私の言うことをきかないための道具になってしまう。
そしてその状態が続けば続くほど、
仲良くなるためにはより努力を要するようになるのだ。

こうして書いてみると、実際に失敗をしてみないと学べないものだなと思う。
パセージの理屈がわかってからの自覚的な失敗は、
自分を責める(そして現実から逃げる)材料にするのではなくて
どうすれば良い関係が築けるのかという学びに変えたい。
遅々とした歩みでも、進んでいける自分を認めたい。



外出先でのエピソードは、小児科が舞台だった。
その日は私が幼稚園で交通指導の当番だったので、
長男を園に迎えに行って、図書館に寄って絵本を借りて、
それからインフルエンザの予防接種を受けに行った。
待合室では長男は早速借りてきた絵本を自分で読み、
それから私と一緒にまた別の絵本を読んで、
ご機嫌で過ごしていたように見えた。
ところが診察室に呼ばれた瞬間、「え!やだ!」と長男は言い、
診察室に入ろうとしない。
ここ数年長男は注射を嫌がったことはないのに、珍しかった。
私は「他の患者さんも待っているから早く入ろう」と言ったが、
「今日は注射いやなの!」と息子は入ろうとしない。
私は次男をだっこしていたので、長男を診察室に連れて行くのに手間取っていると、
看護師さんはさすがプロ、長男を素早くだっこして椅子に座り、手早く診察。
注射を打つときも、
長男は「いやだー!絶っ対にしない!!」と暴れてかなり頑張っていたが、
先生も看護師さんもさすが百戦錬磨のプロ、3人がかりで
「そうか嫌か〜。でもすぐだよ!がんばれ!」と素早く注射を打ってしまった。
長男は自分の抵抗が無駄であったことで、かなり自信を喪失したように見受けられた。

待合室に戻ってから長男は、私を叩いたり蹴ったりし始めた。
私に暴力をふるうことはここ数年なかったので、珍しかった。
やめてちょうだいと言ったけれど、長男は私を叩き続ける。
たまたま手が次男に当たって、次男が泣き、
私が陰性感情を表に出して「しゅんすけに当たったよ。やめてちょうだい」と言うと
長男は叩くのをやめて蹴るだけになった。
私が黙っていると、
次は私のカバンを投げたり図書館の本の入った自分のカバンを投げたり始めた。
私「こうすけ、図書館の本はみんなのものだから投げないで大切にしてちょうだい。
  ここは病院だから、具合の悪い人もいるでしょ。迷惑になることしちゃだめです。
  床の物を拾ってちょうだい。」
長男「いやだ。踏む!」
私 「図書館の本大事にできないんだったら、これから返しに行こう。」
長男「いやだ。踏んで、返さない!」
私 「困るわ・・・。人の迷惑になることしたらだめだよ。」
長男「いやだ。困らせる!」
私 「・・・。」
そしてまた長男は私を蹴り始めた。
看護師さんが次の予防注射の予約の打ち合わせに来られて、
長男に「こうちゃん、お母ちゃん蹴ったらだめだよ。お母ちゃん大事でしょう?」
としばらく話してくれたのだが、長男は「蹴る!」と続けていた。
看護師さん「お母ちゃん蹴っちゃだめだよ。お母ちゃん好きでしょう?」
長男 「・・・嫌い!・・・いや、ちょっとだけ好き!」
    ちょっと笑ってしまった。私は長男の頭をなでた。
看護師さん「こうちゃんがこんな感じって珍しいですよね。おうちではどうですか?」
私 「そうなんです、ほぼ初めてですね。」
看護師さん「お母さん戸惑ってらっしゃいますね(笑)」
私 「あ、今日、幼稚園の旗振り当番で、お迎えに行くのが遅かったんですよ。
   1人で待っていたのが嫌だったのかもしれないですね。
   それで先生にもさようならって言わなかったのかな?」
長男「うん、そうだよ嫌だったんだよ」
看護師さん「そうだったんだ〜。嫌なこといっぱいがまんしたんだね。」
(母子共に、この小児科の皆さまには本当にお世話になっています。ありがたいです。)

しばらくして長男は私を蹴るのはやめて、私の上着を床に落とした。
そして「お母さん、本の続き読んで」と言った。私はほっとした。
「いいけど、お母さんと仲良くできる?」と聞くと、「できる」と言ってくれた。
「それじゃあ、上着拾ってくれる?」「・・・はーい」
それから絵本の続きを楽しく読んで、会計も済み、さあ帰ろうとなったのだが
案の定長男は「いやだ帰らない!」
・・・困る私。
私 「帰ろうよ。」
長男「この本全部読んでから!」
私 「うーん・・・残りけっこう長いからなあ・・・。じゃあ、あと2ページ読んで帰ろうか。」
長男「いいよ、2ページ読んで!」
読み終わると、長男「スリッパここに置いとくの!」
私 「ここにスリッパ置いといたら他の人が困るから片付けよう。」
長男「いやだ!絶対置いとく!」
私 「困るわ・・・」とつぶやいて長男を置いて下駄箱に向かった。
長男「お母さん!置いてかないでー!」
   周りの人が一斉にこちらを見る
私 「ここにいるよ。」
   長男はスリッパを脱いで椅子の下に置いて下駄箱に来て、
   自分のカバンを全部床に投げ捨てた。
   私はスリッパを取りに戻って下駄箱に片付けた。
長男「だめ!スリッパはあそこに置いとくの!」
   別のスリッパを椅子のところに置いてまた戻ってきた。
私 「・・・どうしたらいいのかなあ・・・」
長男「スリッパあのままにしとくの!」
私 「でもあそこにスリッパがあったら、他の人が踏んで滑っちゃうかもしれないし、
   誰かが片付けなくちゃいけないでしょ。他の人が困るよ。」
長男「困らしとくの!」
私 「他の人を困らせることはしたらいけないよ。それは人としていけないことだよ。」
長男「でもぼく嫌な気持ちなんだもん!」
私 「そうだね、あなたが嫌だったのはわかる。
   でも、だからって人を困らせるのはいけないことです。」
長男「・・・。じゃあぼくこのままスリッパ取りに行く」
私 「あ、ほんと、ありがとう。」
長男「このまんまだよ?」
   彼は土足のまま上がろうとしていた。
私 「あーそれはいけないわ。
   ・・・ほんとにこうすけって、何がいけないことかよく知ってるんだね!」 

   長男は、はっという顔をした。私は急に、陰性感情が消えた。
私 「ってことは、何がいいことなのかもよくわかってるってことだ。」
長男「・・・わかってないもーん。」
私 「このままじゃいつまでも帰れないんだけど、どうしたらいいのかなあ・・・」
長男「じゃあ、ぼくが取ってくるから、お母さん片付けて!」
私 「うんわかった、そうしよう!」
長男「よーし!」
   靴を脱いで小走りでスリッパを取りに行き、私に渡してくれた。
私 「ありがとう。」
長男「あれ、ここじゃないのに・・・」
   子供用スリッパの置き場所に、大人用スリッパが置いてあるのを見つけて、
   長男は正しい場所に戻した。
私 「わあ、ありがとう!よく気がついたね〜。みんな助かるわ。」
長男「そう?ふふふ・・・あ、ぼく図書館の本、カバンに入れとこ〜」

帰り道はとても楽しく仲良く歩いて帰った。
夕焼けがきれいだね、鳥が飛んでるね、あれはとんびかな?
風が冷たいね、暗くなるのが早いね〜
あのね、ぼくほんとはお母さん大好きなんだよ〜
長男はさっきまでとは別人のように、かわいい子どもになることを選んでくれた。
長男と一緒におしゃべりするのはこんなに楽しくて幸せなのに、
どうして今まで数日、私は彼を些細なことで怒ってばかりいたんだろうって思った。
病院では怒らないでいれたのに・・・

この日までの数日間の私の彼への対応のまずさが、
彼に不適切な行動をとらせたのだと思った。
長男はよくわかっているから。
一番良くないことは、共同体への破壊行為だということを。
お風呂だとかご飯だとかは、彼の課題で好きなようにすればいいけれど、
図書館の本や病院の待合室やスリッパは、共同体のものだ。
それを自分の好きなように使ってはいけないことを、彼はきちんとわかっていた。
私を怒らせるために、その最も不適切な行動をしてみせたのだ。
それがわかっているのなら、私に言う言葉は何も無い。
私を怒らせようとする彼との関係を、良いものに変えるしか道は無い。

病院の下駄箱では、スリッパぐらい放っておいて帰ろうかと、ちらっと思った。
時々片付け忘れている人だっているし、大した迷惑ではないし。
だけど共同体への破壊行為だと思ってやっている長男の前で、
ここで私がスリッパを放っておくと、彼の共同体感覚が狂ってしまうと思った。
もっと言うと、
私よりも彼の方が正しい共同体感覚を持っているのではないかとさえ思えた。
こんなに賢い子が、不適切な行動をするなんて・・・
明らかに私がそうさせているとしか考えられない。
(・・・ああやっぱり未だに、私は勇気がくじかれているようです)

この日の夜、長男が
「お母さん、今日怒らなかったね。ぼくすごくうれしかったよ。」
と言った。


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by Inahoadler | 2015-12-05 23:27

それぞれの作戦

1歳3ヶ月の次男は、先日めでたく母乳を卒業した。
私の負担がずいぶん減って楽になった。
卒乳してすぐは、泣いたときの奥の手である母乳が使えないので
泣かせっぱなしにして罪悪感を感じることが多く、少し辛かったが
もう母乳を飲んでいたことなどすっかり忘れてくれたようだ。
赤ちゃんは切り替えが早くて助かる。

しかし、夜中の授乳なんて、本当は必要なかったのだと思う。
3食たっぷり食べて、時にはおやつにバナナを1本食べる次男には、
絶対に夜食の必要なんて無い。
だけど夜中におむつが濡れて泣いて起きたときに、
私は母乳をあげないと泣き止まないと思い込んでいたのであげていた。
「ぼくはこんなにこんなに悲しんでいるのに、それでもあげないっていうの?」
と言っているかのような演技派の次男の作戦に負けていたのだ。
彼は自分がかわいいことをよくわかっている・・・。
そして親がかわいいものに弱いことをわかっている・・・。


次男も当然というか、やはり意志強固で、
ご飯のときには他人の食べているものを自分にもくれと激しく主張する。
1歳ではまだ食べられないものも多くあるので、これはダメだよと言うのだが、
顔をくしゃくしゃにして天を仰ぎ両手を挙げて、
「ふぇっ!」と嫌がる。
それでももらえないと、椅子から自分で降りて床に転がって
「ふぇ〜〜!ふぇえええ〜!」としばらく泣きわめく。
時々長男が
「しゅんすけ、あのね、まだしゅんすけには食べられないものもあるの。
 食べてもいいものもたくさんあるんだけど、今はこれはダメなの。
 大きくなったら一緒に食べようね。」
と優しく諭してくれると、たまに神妙な顔をして泣き止むこともある。
私は次男の「ふぇっ!」ぐらいではもうびくともせず、
彼の大好物のにんじんと、ひじきふりかけを与えれば
だいたいのことは水に流してくれる。


さて私が長男に対して失敗を繰り返していたある日のこと、
長男が「ぼくしゅんすけと一緒に遊ぶから、お母さんそっちでお昼寝してていいよー」と
言ってくれた。
体調の悪かった私はありがたく、子供部屋の隣の部屋で横になった。
しばらくは長男の「しゅんすけ、これどうぞ♪そうだよ、そうそう、そうやって遊ぶんだよ!」
という優しい声や、次男の笑い声や鼻歌が聞こえていた。
私は少し眠っていたようだったが、次男の泣き声で起こされた。
予想していた通りなので陰性感情は起こらなかった。

次男の背中をとんとんしながら横になっていると、
長男が「しゅんすけー!ぜったいにこっちに来ちゃだめー!こっち来るな!」
と叫んだ。
意地悪だし嫌な言葉遣いだと陰性感情が起こったので、何も言わないことに決めた。
機嫌を直した次男が長男のところへはいはいで戻って行くと、
「こらー!こっち来るな−!だめー!」という叫び声。
「ふぇ〜〜〜」という泣き声と共に次男が私のところへ。
またとんとんされて機嫌を直して長男のところへ行き、
「しゅんすけー!だめだって言ってるでしょ!あっち行け!」
と怒られて泣いて私のところへ。
しばらく次男は行ったり来たり繰り返していたが、
急に長男が「だめ!・・・あ、いいよ、しゅんすけ、こっち来ていいよ!」と優しく言った。
長男「ほらしゅんすけ、おいで、すべり台だよ。」
次男「ひゃーい!」
長男「ほら、にゃーたんだよ。くまちゃんもどうぞ。」
次男の嬉しそうな笑い声が聞こえてくる。
「大好きだよ、しゅんすけ♪さっきは怒っちゃってごめんね。
 お兄ちゃん、あれ作ってたの。大事だから、壊してほしくなかったの。」

私が口出ししなくて本当にいいんだなあと、2人の様子を聞いていた。
長男の言い方がまったく私そのもので、
私は長男に対してあっち行け!とは言わないけれど、彼にはそう聞こえていたのかもしれない。
だから、長男に次男に優しくしてほしければ、私が長男に優しくしなければいけないのだ。
次男に謝っていたのは、私が失敗したときに長男に謝っているから。
それは長男にとって嬉しいことだったのだと知れて勇気づけられた。
失敗したらどうすればいいのか、長男はきちんと学んでくれている。
ほんとうに説教なんて無意味だ。私の行動から彼らは何もかも学んでいる。

長男が作っていたのは、後で見せてもらったが
恐竜の折り紙をたくさん紙に貼り付けて、それぞれの恐竜の名前も書いた力作だった。
次男はお兄ちゃんのすることに興味があって、
お兄ちゃんが次々に作り出す物も全部触りたがるから、
時々長男の方が壊されて泣かされることもある。
好奇心旺盛で粘り強い次男から作品を守るためには、
長男は暴力で対抗するしか思いつかなかったようだ。
もう少し次男が大きくなって、言葉がきちんと通じるようになれば、
また別のやり方を学んでくれるだろう。
暴力が良くないということを学んでもらうためには、
私が暴力を使っていては学んでもらえないので、次男の安全だけ気をつけておこう。
ただ、気の立っていた長男に急に優しさを思い出させるほど、
次男のかわいいと思ってもらう作戦も強力である。
長男も今のところせいぜい怒鳴って押すか引っ張るかぐらいで、
次男をケガさせるほどの暴力は使ったことはないし、
おそらく次男に対してそんなことはできないのではないだろうか・・・



長男は私からほんとうに様々なことを学んでいるから、
慌てなくてもきっと次男との良い関係の築き方も学んでくれるだろう。
私が毎日怒っていたことを気にかけてくれた夫が、
長男と2人でお風呂に入ったときに、長男に
「お母さんが怒らないように、協力してくれるかな?」と言った。
長男「・・・それは、お母さんの問題だからね。」
夫 「・・・いや、こうすけがお母さんの怒るようなことをしたんでしょ?」
長男「うん、それはそうだけど、怒るかどうかはお母さんの問題だから。」
夫 「・・・うーん・・・そうか・・・」
・・・はい、長男が今のところ我が家で誰よりもアドレリアンです。


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by Inahoadler | 2015-12-04 17:42

うちのピエール

久しく更新していなかったのは、
私が長男とのやり取りで失敗に失敗を重ねており、
ブログを書く勇気がくじかれていたからだ。

失敗談はまたおいおい書いていこうと思うけれど、
パセージを学んでからの失敗は、
「感情的になったらいいことが無いけれど
 とにかく私の言うことをきかせたいから怒ってやる!」
と、自覚的に私が悪いことをするようになったところが
変化だと思う。
「つい怒ってしまって」とか、「わかってはいるけれど難しくて」
という出来心というものは存在しなくて、
本当に私は、私が長男を支配しようとして怒りという感情を使っていた。
清く正しいアドレリアンへの道はまだ遠いけれど、
せめて自分には言い訳しないで、自分の失敗を直視することから始めていこう・・・



モーリス・センダックの『ピエールとライオン』という絵本は
長男の小さい頃からのお気に入りのうちの1冊だ。
先日も長男は1人で読んでいて、その後お母さん読んでちょうだいと言うので
一緒に読んで、とても楽しい時間を過ごした。

ピエールは何を言われても
「ぼくしらない(I don't care)!」しか言わない男の子。
朝ご飯ではシロップを頭にかけて、椅子の上ではずっと逆立ち。
ライオンの脅しにも屈さない。
とても意志強固!
賞を使うタイプの母と罰を使うタイプの父の、
過干渉な両親はいつもこの息子に手を焼いている。
ピエールは「ぼくしらない」って言っていると、
ちゃんと注目関心を得ているんですよね。
パセージを学ぶ親として、この両親のやり方はとても悪いお手本です。

さてこの本を読んだ次の日、
園バスから降りた長男におかえりと言うと、
「ぼくしらない!」
・・・しまった、と思いました正直(^^;;)
この日より少し前の一週間ほど、私はオニママだったので
まだ以前ほど良い関係には戻れていない。
これは彼の遊びの一環ではあるけれど、挑発でもある。
心して陰性感情を制御して、彼と良い関係を築かなくては。

私 「幼稚園楽しかった?」
長男「ぼくしらない!」
私 「いいお天気で良かったね」
長男「ぼくしらない!」
まったく本の通りで笑えた。
しかしこういう場合、アドレリアンな親はピエールになんて言うのか、
あの本には正解が書いていない・・・
息子はにやにやしている。これは遊びに乗っかるしかない。

私 「『それしか言うことないのかね?』(ライオンの台詞)」
長男「ぼくしらない! 笑」
私 「『俺のお腹に入っちゃうんだぞ』」
長男 「ぼくしらない! 笑」
私 「『そうかいそれでは ごちそうさま』」
長男「ぼくしらない! 笑」
私 「ぱくっ!」
長男「え?ぱくって?」
私 「あ、『ライオンはこうすけを食べちゃった!』」
   ぱくっという台詞はないことを指摘された。
それから本の通りに続きもしゃべって、
両親がピエールを食べたライオンをお医者さんに連れて行き、
無事救出されて
ちょうど終わりのところで家に着いた。
私「『わたしの背中にお乗りください。お宅までお送りします。
   とライオンが言うと・・・』」
長男「『はい、わかりました!』
   ぼくいい子になったよ!」
私 「あ〜良かった!」
   心から良かったと思った。どうなることかと思った・・・


うちの息子はピエールのように意志強固だ。
親の支配的行動にも屈さず、なかなか頼もしい。
私が彼と良い関係を築くために、私が変わらなくては・・・


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by Inahoadler | 2015-12-04 16:28