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寝食を忘れて

最近、皆揃って食事をすることが難しい。
長男が遊びに忙しく、食事の準備ができても
なかなか食卓に着いてくれないからだ。
3回「ご飯食べよう」と言っても、
「ちょっと待って!」と応えられると私は陰性感情がわいてくる。
だが、皆でいつも楽しく食事をしたいのならば、
私が陰性感情を持っていてはいけない。
私がすべきことは、
「なかなか食卓に着こうとしない」という長男の不適切な行動の中にある
適切な行動や、彼のストレングスを探し、
彼が食卓に着けるように彼を勇気づけることだ。


ある晩、夕食がもうすぐ出来上がりそうなときに
長男は久しぶりにレゴ(ブロック)で遊び始めた。
ご飯もお風呂も寝る時間も、全部遅くなりそうだと思い
私にいらいらとした陰性感情が生まれた。
私 「ねえこうすけ、もうすぐご飯できるよ。」
長男「うんわかったー」
長男はかなり熱中して作っているらしく、生返事をした。
私はもっといらいらしたが、彼のストレングスを探すことにした。

一瞬も手を休めずに、ずっとカチャカチャとレゴで何か作っている音がしている。
彼は一生懸命に遊ぶのだ。それにものすごい集中力がある。
しかし一生懸命遊んでいるのにも関わらず、
さっき、私の言葉に対してちゃんと返事をしてくれた。
よし、陰性感情を制御した。夕食もできた。

私 「こうすけ、ご飯できたから食べよう。」
長男「えーぼくまだお腹すいてないー」
私 「そう・・・。でももうすぐ6時半だし、ご飯の時間だよ。」
長男「でもお腹すいてないから食べない。」
   私に陰性感情が生まれた。(早っ・・・)
私 「・・・おやつ食べ過ぎたんじゃないの?」
長男「そんなことは、ありません」
私 「えーだってご飯の時間なのにお腹すいてないなんて、おやつを食べ過ぎだよ」
長男「・・・あ、お腹すいてきたかも!」
   ちょっとかわいいな、と思えて、私の陰性感情が収まってくる
私 「そう、それなら良かった。一緒にご飯食べよう。」
長男「ちょっと待って!これ作ってから・・・」
私 「・・・わかった。先にしゅんすけに食べさせとくね。でも早くおいでよ。」
長男「はーい!」

6時40分になった。長男はまだレゴに熱中している。
私 「こうすけ、ご飯食べようよ」
長男「んーもうちょっと待って。」
私 「ねえこうすけ、8時に寝るんでしょ?」
長男「うん」
私 「8時に寝るためには、早くにお風呂に入らなきゃいけないでしょ?」
長男「うん」
私 「早くお風呂に入るためには、早くご飯を食べなきゃいけないでしょ?」
長男「うん」
私 「だから今ご飯食べよう。もう6時半過ぎたよ。」
長男「うんでももうちょっと待って。」
私 「・・・うん。でも急いでね。」
長男「はーい」

長男「ねえお母さん、今何作ってると思う?」
   まだ食べに来ないんかい、と陰性感情が起きる私。
私 「さあ・・・」
長男「これは、すごいんだよー。プロペラがついててねー・・・」  
   彼は私を仲間だと思ってくれているから、自分の話をしてくれるんだ。
   だから私は彼の興味に関心を持とう。彼の話を聞こう。
私 「そうなんだ。」
長男「でね、人も乗れて・・・ほら!見て!ここすごいでしょ!くるくる回るんだよ!」
   長男は興奮して食卓に来た。
私 「あ、すごい!そんなことできるんだ、プロペラにタイヤがついてる!」
長男「すごいでしょ、これは、こっち向きにもこっち向きにも、
   どっち向きにでもタイヤが動くんだよ。どこにでも行けるの!」
私 「へえ〜プロペラってそんな風に使えるんだ・・・すごいねえ」
長男「へへへ・・・」
そして彼は誇らしげに立ち去った・・・

「ご飯食べよう」と言いたいけれど、
言ったところで「ちょっと待って」と言われるだけだから
今度は何も言わないで待つことにした。

6時50分頃、長男がまたレゴを持って食卓に来た。
長男「見て!ほら、こっちにもタイヤついたよ!」
私 「あーほんとだね。」
長男「すごいでしょ!」
私 「うん。・・・あの、こうすけさん、8時に寝たいんだよね。
   そのためには、お風呂に早く入らなくちゃ。」
長男「あ、そうか。」
私 「そのためには、ご飯早く食べなくちゃ。」
長男「あ、そうか。」
私 「もう7時になっちゃいますけど・・・」
長男「あ、そうか。・・・ご飯食〜べよう!」
私 「うん!食べよう!」
その後は楽しく夕食を食べることができた。


長男は誰に似たのか非常に口が達者で、
生意気な言い方をしたり、調子よく発言を変えたりするので
私はそれを良くないことだとよく裁いてしまうのだが、
裏を返せばそれは、語彙が豊富で表現が豊かであるとか、
臨機応変な返答ができる、とも言える。
そして彼がかなり論理的に話をできる人だから、
私が論理的に話をすれば、きちんと理屈をわかってくれるのだ。
理屈がわかったところで私の望み通りに行動してくれるわけではないけれど、
彼はいつも私に協力しようと思ってくれているから、
自分のやりたいことが片付けば、私に協力してくれる。
時には自分のやりたいことを止めて、私のお手伝いをしてくれることだってある。

彼を変えたいという思いを、傲慢な私はまだ持っているけれど
多分あまり有益な考え方でもないのだろう。
私が彼をどのように見るのか、どのように接するのか。
まずはそれを変えよう。


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by Inahoadler | 2015-11-10 23:02 | Comments(0)

貴重な時間

次男は活発で、まったく目が離せない。
もう少しで一人歩きをしそうという状態を忘れるほどに
素早く移動し、背伸びをして棚の物を引っ張り出し散乱させ、
また移動してはおもちゃ箱をひっくり返し、
隙あらば階段を昇ったり、窓の鍵を開けたりするので
私が落ち着いて家事や用事ができるのは、
彼がご機嫌でベビーチェアに座っているときか寝ているときだけだ。
(ベビーベッドはよじ登って脱走するようになってしまった・・・)


ある日、午前中によく遊び、午後になっていい感じに次男がうとうとしてきた。
しかし長男がいると次男は嬉しくてなかなか寝ようとしない。
眠たいのに寝たくなくて機嫌が悪くなり、
次男はぐずぐずと泣き出した。
早く寝かして用事をしたいと思って、授乳することにした。
飲みながら、すぐに次男は眠りに落ちた。
長男は1人で絵本を読んでいる。
「お母さんちょっと用事してくるから、それが終わったら一緒に本読もうね」
と言うと、長男は快くわかった、と返事してくれた。

私は静かに食器を洗ったりお米を研いだりして、
さてパソコンの用事を片付けようと机に向かうと、
長男が次男の寝ている部屋にぱたぱたと走っていく音が聞こえた。
次男を起こしちゃわないかなと、少し陰性感情が生まれた。
聞き耳を立てていると、長男の嬉しそうな笑い声がする。
すると、「あれ?しゅんすけ、起きたんだ、おはようしゅんすけ!」という長男の大きな声が聞こえた。
せっかくこれから用事をしようと思っていたのに、
長男のせいでできなくなったと、私はいらいらした。
しばらくは長男と次男が楽しそうに笑っている声がしていたが、
とうとう次男が泣き出した。

長男「お母さーん、しゅんすけ起きましたー!泣いてまーす!」
  泣いてますじゃなくて、あなたが泣かせたんでしょと陰性感情が大きくなった。
私 「はい、わかってます。」
   努めて陰性感情を抑えようとはするが、抑えきれていない。
長男「あ、お母さんのところに向かっています!」
   次男は泣きながら私のいる部屋にハイハイしてきた。
私 「もう・・・寝てたのに、なんで起きちゃったんだろうね?」
   長男を責める言い方をしてしまった。
長男「なんでだろうねえ?」
   悪びれない長男に対して、余計に陰性感情を抱く私。
私 「・・・こうすけ、さっきしゅんすけの部屋に行ったよね。
   それでその後しゅんすけが起きたでしょ。」
長男「・・・うん。」
私 「それ、こうすけが起こしちゃったってことじゃないの?」
長男「・・・ちがうと思うよ。」
私 「ほんと?しゅんすけを触ったりはしなかった?」
長男「触ってないよ。」
  目をそらす長男。私は彼を責めてしまった。
  とりあえずこのやり取りは打ち切らなければ。そして後で挽回をしなければ。
私 「そう・・・」

私は次男を抱っこして次男の寝る部屋に行った。
長男はついて来ない。
長男を責めてしまって悪かったなと反省した。
多分長男は、寝ている次男をかわいいと思って、近くに寄って見たんだろう。
隣に寝転んで、体が当たってしまったのかもしれない。
それで次男は起きてしまったんだろうけど、
でもそれは長男の不適切な行動ではなくて失敗だし、
その場面を想像すると、私はものすごく幸せな気持ちになった。

泣き続ける次男を優しくとんとんしながら寝かせようとしていると、
しばらくして長男が来た。
ベッドの足元の方で寝ようとするので、
私はおいでと言って、次男と反対側の私の隣に寝てもらった。
片手で次男、もう片手で長男の頭をなぜながら私は言った。
私 「ねえこうすけ、しゅんすけかわいいよね。
   こうすけは、しゅんすけの寝てるところを見たくなってさっきお部屋に行ったのかな?」
長男「そうだよ〜」
私 「そっか。それでかわいくて、笑っちゃったの?」
長男「うん。なんで知ってるの?」
私 「笑い声聞こえてたから(笑)」
長男「えー?」
私 「それでしゅんすけ起きちゃったんだね、仕方ないね。」
長男「うん、起きちゃった。」
私 「そっか。お母さん、しゅんすけが寝てる間にいろいろやりたいことがあって、
   それでしゅんすけを起こしたでしょってこうすけを怒っちゃってごめんね。」
長男「うん、いいよ。」
寛容な長男は私と仲直りをしてくれた。
次男は相変わらず泣いている。
そこで、再び次男を寝かせることはあきらめて、
私は長男に絵本を読むことにした。
読んでいるうちに泣き止んだ次男も一緒に絵本を見に来て、
3人で楽しく絵本を読んだ。


私のすべきことやしたいことはたくさんあるけれど、
一番大切なことは、家族と仲良く過ごすことにちがいない。
多少片付けができなくても、多少ご飯の時間が前後しても、
ましてや私の個人的な用事ならば、
それらは後回しにして、子どもたちに向き合ってあげたいと思えた。
だって、この子たちが子どもでいる時間は限られていて、
私がこうして両腕に子どもたちを抱えていられる時間は本当にわずかなのだから。
今、子どもたちは私に向き合ってくれている。私と仲間でいてくれる。
そのことがほんとうにありがたいと思った。

子どもたちがお互いに仲良くしてくれること、
これに勝る喜びなんてないと思う。
私はいつも彼らの喜びを分かち合える。
いつも彼らに正の注目をしていれば、どんなときでも分かち合えるのだ。
その喜びの大きさに比べれば、
私の思い通りに物事が進むことなんて、多分とても小さくてつまらないことだ。




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by Inahoadler | 2015-11-09 11:10 | Comments(0)

別次元での協同

次男が動き回るようになって、息子たちが2人で遊ぶようになった。


ある日長男がけん玉で遊んでいた。
近くで次男がハイハイしているので、危ないからやめてほしいなと私は思った。
私 「しゅんすけにぶつかったら痛いでしょ、そうやって遊ぶのは危ないから、
   振り回す遊び方をやめるか、別のお部屋でするかしてくれない?」
長男「あ、そうか。じゃあ危なくないようにここで遊ぶ!」
けん玉でどうやって危なくない遊びができるんだろうと怪しみながらも、
とりあえず長男の様子を見守ることにしてみた。
危なくなってからやめてもらうこともできるし、
その前に長男がけん玉で遊ぶのをやめるかもしれないし・・・

長男は「しゅんすけ、これは危ないからね、気をつけてね。」
と言いながら、けん玉の玉を地面すれすれに浮かせて、次男の方に近づけた。
次男ははしゃいでけん玉の玉をつかもうとする。
「ぼく釣りしてるんだ〜。しゅんすけもう少しもう少し!」
次男が玉を嬉しそうにつかむと、
「やったあ!しゅんすけ釣れた!」
長男は次男を後ろから抱きしめた。
「しゅんすけの丸焼き〜いただきま〜す♪あ〜おいしかった!
 はい、じゃあこれは危ないからお片付けするね〜」
長男は次男からけん玉を取り上げて片付けに行った。
残された次男もご機嫌で他のおもちゃで遊び始めた。

私は次男からけん玉を遠ざけてほしかったので、
2人がけん玉で遊ぶのは嫌だったけれど
長男の「釣り」には思わず笑ってしまった。
しゅんすけは自分がまさか食べられているなんて思っていないだろうけど(笑)、
お兄ちゃんに遊んでもらって嬉しそうだった。
長男はもう自分で、何が危なくて何が安全かを考えられるようになっているようだ。
子どもは思わぬ危ない遊び方もするけれど、
同様に、思わぬ安全な遊び方も考え出す。


ある日、長男が次男と一緒にチラシをちぎっていた。
通り道がなくなるまで散らかしたので、
私は「ここ通れないから、ちょっとまとめてくれる?」と言った。
長男「うんいいよ!じゃあしゅんすけ、このお皿に入れてください!ピザ作ろう!」
長男は紙切れを拾い集めて、容器に入れ始めた。
珍しく次男も長男の誘導に従って、紙切れを入れている。
長男「そうそう、しゅんすけ上手だねえ!」
私 「2人ともありがとう」
しかしその平和は長くは続かず・・・

長男「お母さん!しゅんすけがお皿取った!」
   案の定長男は次男に対して怒り始めた。涙目である。
私 「あーそうなんだ。でも片付けてくれてありがとう。
   これぐらいだったら通れるから、しゅんすけが散らかしちゃってもいいよ」
長男「違うの、お皿はこっちに置かなきゃだめなの!」
   長男は次男から容器を取り返してソファーの下に置いた。
   泣き叫ぶ次男。
   私は陰性感情が噴出。
私 「ねえこうすけ、しゅんすけに優しくしてあげてよ。」
長男「だって、ピザ作ってるんだもん!」
私 「お皿に入れれたじゃない、ピザできたんでしょ?」
   私もムキになっている
長男「違うよ、まだだよ。今ここのオーブンに入れて焼いてるの!」
私 「・・・あ、それオーブンなんだ」
   長男の遊びには段取りがあってまだ続いていることがわかったので、
   私は反省して口出しをやめようと思った。
長男「そうだよ。ちゃんと焼かなくちゃ。」
   長男は少し機嫌を直して、ソファーの下をのぞきこむ。
長男「・・・はい、焼けました!しゅんすけさん、ピザどうぞ!」
   長男は泣いている次男に紙切れを入れた容器を差し出した。
   次男は泣き止み、嬉しそうに紙切れを床の上にひっくり返した。
長男「おいしいですね〜もぐもぐ!」

長男は次男がひっくり返すのをにこにこしながら見て、
自分も床に紙切れをばらまきながら、一緒にピザを食べて満足そうにしていた。
私は長男は次男と一緒に遊びたいんだとわかって嬉しくなった。

長男には彼なりの段取りがあって、それがうまくいかないと怒るようだ。
しかし自分のシナリオに沿っていれば、
私から見れば同じように邪魔をしていると思えるような次男の行動だが、
許容できるものもあるらしい。
そして次男の行動によって遊びが広がっていく場面もあるようだ。
次男にはそんなつもりはなく、ただ自分のしたいことをしているだけなのだろうけど
長男は次男が一緒に遊んでいると認識している。
これもまた、彼の仮想の世界なのだ。



ある日、低い机(天板の高さが約40cm)の下に長男が潜り込んで、
「ここ、秘密基地!」と宣言した。
「しゅんすけ、秘密基地でサーカスが始まるよ!おいで!」と言いながら、
長男はボールやぬいぐるみをどんどん机の下に押し込んでいく。
次男も喜んで机の下に潜ったり、出たりを繰り返していた。
私 「サーカスって、ぬいぐるみさんたちがするの?」
長男「ううん、しゅんすけがサーカスの人なの」
私 「へえ〜(笑)」
次男は箱からぬいぐるみを次々引っ張り出している。
長男「ほらね、しゅんすけは今お客さんを呼んで来てくれてるの♪」

次男のおかげで、長男の遊びは無限に広がっていくようだ。

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by Inahoadler | 2015-11-08 17:06 | Comments(0)

観客

息子がピアノを毎日楽しく練習できるかどうかということは
私の勇気づけの腕にかかっていると、心してピアノを習わせ始めた。

私は幼稚園の年中頃から高校2年生までピアノを習っていて、
とても楽しく、充実した子ども時代だったと思っているので
昔から子どもにはぜひピアノを習わせたいなと思っていた。
でも、習い事を嫌々されたら私も嫌だし、習うなら続けてほしい。
そのためには相性の良い先生を見つけなければいけないけれど、
私の先生は遠方にいらっしゃってもうリタイアされていて、
私の自宅の習い事事情に私は疎いので、どうしようかと思っていた。

幼稚園の仲の良いお母さん方にピアノ教室の情報を聞いていると、
たまたまお友達のFちゃんのピアノの発表会があると教えてもらったので、
息子と一緒に聞きに行くことにした。

Fちゃんも年中で、その教室では一番小さい子なので一番目の発表だった。
かわいらしいドレスを着たFちゃんがぴょこっとお辞儀をすると
会場中に「かわいい〜♪」とささやき声が広がった。
息子を見ると、真剣なまなざしで舞台を見つめている。
Fちゃんは先生との連弾を一曲、自分1人で一曲を一生懸命に弾いて、
またお辞儀をして舞台を終えた。
息子は一生懸命拍手をして、
次々に発表するお兄さんお姉さんたちを熱いまなざしで見つめていた。
(時々次男が泣いたので私はホールの後ろの方へ行ったりしていたのだが、
 長男は1人でじっと座って、毎回一生懸命に拍手を送っていた。)

休憩時間が来て、「こうすけ、発表会どうだった?」と聞くと、
息子は「うん、いいね。ぼくも発表会したい。あのピアノ弾きたい。」と目を輝かせていた。
大成功だと思いながら、
「そうか。じゃあ、ここのピアノ教室で習おうか。こうすけも弾けるようになるよ〜」と言うと、
息子は「うん!」と言って舞台へ向かって駆けだした。
「あ、ちょっと待って!今日は弾けないよ」
「え?なんで?」
「えっと、今日はFちゃんたちの発表会だからね。
 こうすけもこれから教室でピアノ習って、来年の発表会に舞台の上で弾けるよ。」
「そっか・・・。早くあのピアノ弾きたいな〜」

それから、息子は優しくて素敵なピアノの先生のレッスンを受けるようになった。
ピアノを弾くのが楽しいらしく、ほんとうに良かったと思っている。
息子がピアノを弾く度に、「素晴らしい!」「わあ上手!」「左手がいいね!」と
勇気づけるようにしているのだけれど、
実は一番息子のピアノを勇気づけているのは、次男なのだと思う。

長男が一曲弾く度に、次男が小さな手でぱちぱちと拍手をするのだ。
それもものすごい嬉しそうな顔をして。
次男はピアノに合わせてときどき一緒に歌うし、
ピアノがないときでも長男の弾いている曲を歌うし、
泣いているときも長男がピアノを弾き始めると、泣き止んで嬉しそうに拍手するので
長男にとっては何よりの喜びのようだ。


先日、教室の1/3の人数でのミニ発表会があった。
残念ながら舞台上ではなくて練習室での発表だったけれど、
息子にとっては初めての舞台である。
堂々と、それもなかなかいい音を出して、いつものように上手に弾いて、
大きくなったなと嬉しく思った。
「こうすけ、すごく良かったよ!発表どうだった?」
「ぼく上手に弾けたよね。・・・次の発表会はいつ?」
発表は大変楽しかったようだ。
毎日拍手をもらっているから、たくさんの人に聞いてもらうのも嬉しいんだね。
しゅんすけも毎日ありがとう。




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by Inahoadler | 2015-11-06 13:38 | Comments(0)

主張的主張

次男のしゅんすけは1歳2ヶ月になった。
長男こうすけは1歳2ヶ月で卒乳できたので、次男もそろそろ卒乳をしたいところだ。
だが次男は生まれたときから身体が小さめで、
一時的に体重の増加率が良くない時期もあり、
そんなに急ぐ必要もないし、年内に卒乳できたらいいかなと思っている。
(実際、次男に対しての方が私は少し甘いのかもしれない・・・)

卒乳するために、まずは授乳の回数を減らそうとしているのだが、
卒乳がうまくいかないのは、子どもではなくて母親の方の問題だなと実感している。
次男はお乳がほしくなると、
私の目を見て「ぱっぱ!(おっぱい)」「どーじょ!(ちょうだい)」
ときちんとお願い言葉で主張してくれるのだ。
そして私の胸のあたりを叩いたり、服をめくろうとしたり、
あまりにかわいいので「そうか、ほしいんだね・・・わかった!どうぞ!」
と授乳してしまう。
授乳してもらえるとわかると、
次男はものすごく嬉しそうに笑って「ぱっぱ♪」と言って
ものすごく幸せそうに飲んでくれるので、
ああまだ卒乳なんかしなくていいか〜と思ってしまうのだった。

それでも卒乳に向けて頑張ってはいて、
日中はお腹が空いて「ぱっぱ」と言うときは、
食事の時間を前後させたり、バナナなどをあげたりしてごまかしているのだが、
昼寝の前や夜など、眠たいときの「ぱっぱ」に抗うのはなかなか難しい。



ある晩、壁際から長男、次男、私の並びでみんなでベッドに横になった。
次男の「ぱっぱ!」に応えて授乳をした。
ある程度飲むと、
次男は隣の長男の方に転がって行ってひっついて、
また私の方に来てお乳を飲んで、
また長男の方に行って遊んで、
私の方に来てお乳を飲んで、
と繰り返すようになった。
もう授乳しないでいいやと思って私は服を整えて布団をかぶった。
すると次男は「ん?ん?」と言ってお乳の催促をしている様子。
しかしいつものように「ぱっぱ」と主張的に主張するのではなく、
「ねえねえ、あれあれ、ほら、おかあさん、あれだよ」という感じで
非主張的な主張をしてきた。
だから私は罪悪感を抱くことなく「もうおやすみの時間だよ」と言って
授乳しないことに決めた。
次男は「ん!ん!」と私の服をめくろうとするがうまくめくれない。
そしてどうやら授乳してもらえないらしいと気づいて泣き始めた。
長男には悪いが、今晩は泣かせたまま授乳しないで頑張ろうと決めた。

次男はベッド中を転がって泣き叫んでいるが、
ベッドからは落ちないようにちゃんと加減をしている。
きちんと理性ははたらいているようだ。
10分ほどたったところで長男は爆睡した。ありがたいことだ。
30分たっても次男は泣き続けている。
かわいそうだけど、自分から口を離したわけだし、主張的に主張してくれなかったし・・・
と思って、ふと気づいた。
もしここで彼が冷静に判断して、「ぱっぱどうじょ!」と
主張的に主張したら今の私は授乳してしまうぞ、と。
ここまで泣かせておいて、いきなり態度を翻してはいけないだろう。
そこで、それまでは次男の体を優しくさすっていたのだけどそれをやめて、
彼に主張的にお願いされる前に寝たふりをすることにした。

だんだんと泣き声は弱くなり、1時間たった頃には次男は泣き疲れて眠っていた。
辛かったかもしれないが、もうお乳がなくても生きていけるようになったのだし、
お乳がなくても私たちは仲間だし、幸せに暮らしていけるからね。
こちらも辛いものがあるけれど、
主張的に主張されなかったから私は罪悪感という陰性感情を持たずにすんだ。
助かった。


その数日後の午前11時頃。
次男が「ぱっぱ!」と言って寝転がっていた私の上によじ登ってきた。
まだ昼食にするには早いし、バナナを食べさせるには中途半端な時間なので、
ごまかしきれない。
おそらく眠たくてほしいのだろうから、
主張的にお願いされたけれど今は断ろうと決めた。
「しゅんすけ、今はぱっぱなしね。もう少ししたらまんま食べようね。」
と優しくきっぱり伝えると、
次男は急に顔をくしゃくしゃにして、「ぱっぱあ〜!」と言って
ベッドに顔を突っ伏した。
そんな芝居がかったことするの!?と、思わず笑ってしまった。
「ほしいんだね、ごめんね。」
「っひくっ・・・っひくっ・・・」
なんとなくわざとらしく泣きまねしている様子の次男。
しかしかわいいので全然陰性感情がわいてこない。
するとお乳をもらえないようだと気づき、次男は本当に悲しくなって泣き始めた。
でも仕方がないので放っていると、だんだん激しく泣き出した。
何か音があったら気が紛れるかなと思って、
珍しく携帯でyoutubeを見ることにすると、
次男は気になったようですぐに泣き止んだ。

しばらく楽しく一緒に見ていたら、
次男ははっという顔をして、
大事なことを忘れていたという感じで「ぱっぱ!」と言った。
「ごめんね、今はぱっぱはなし。」と言うと、
また突っ伏して泣き始めた。
それでももらえないとわかると、
顔を上げて、横目で私をにらみ、ベッドから降りた。
何をするのかなとわくわく見ていると、
長男の作った工作を入れている段ボール箱に体当たりして、
乱暴に中の工作を放り投げ始めた。
八つ当たりである。
長男も気に入らないことがあると物に当たるけれど、
こんな小さいうちから次男も同じことするんだなあと変に感心してしまった。
それに、横目でにらまれてびっくりした。
長男は次男が壊してもいい工作だけをこの箱に入れているから心配もない。

しばらく暴れると次男は気が済んだのか、
お気に入りのぬいぐるみを見つけてご機嫌になり、私のところへ持ってきてくれた。
そして12時になったので、昼食を食べさせた。

これ以降、私は次男に主張的にお願いされても、断ることができるようになった。
次男はものすごく哀れそうに泣いたり、怒ったり、乱暴したりするけれど
どうやらお乳を与えなくても、何も問題はないようだ。
かわいそうだからと与えてしまうのは私の陰性感情を抑えるためなのだろう。
さて、卒乳できるのはいつになることやら・・・


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by Inahoadler | 2015-11-03 23:38 | Comments(0)

総合芸術

息子はピアノを習い始めて3ヶ月になる。
かなり小さい頃から一緒にオーケストラの演奏会のテレビを見たり、
クラシックのCDを聞いたり、バレエの映像を見たりして、
音楽を聞くことは好きだった。
最近はピアノ教室の先生の発表会やコンクールを聞きに行くことが増え、
音楽は様々なものごとを表現できるのだとわかってきたようだ。


ある日息子が突然
「お母さん、これは、『ターガニはアカシア』という曲です。お聞きください」
と言ってピアノを弾き始めた。
彼の初めての作曲である。(いつも練習しているドとレだけを使った曲に似ているけれど)
私 「なになに?アカシアって?」
息子「アカシアっていうのは、木だよ。」
私 「ターガニはなあに?」
息子「ターガニは、そのアカシアの木のお名前。」
私 「へえー面白い!そのターガニの曲なの?いい曲!」
息子「へへへ・・・じゃあ次は、『アノマロカリスとなかまたち』!」
   息子は得意そうに、たくさんの鍵盤を使って躍動感のある音楽を奏でた。
私 「すごーい!曲だ!アノマロカリスのなかまたちってどんなのなの?」
息子「え?アノマロカリス類の、他の種類の生き物が色々いるんだよ。
   そういう生き物たちの曲。」
   彼の恐竜ブームはまだまだ加熱を続けており、最近は古生代にも守備範囲が拡がった。
   (あ アノマロカリス
    い イクチオステガ
    う うみさそり
    え エダフォサウルス
    お オパビニア   
    という「古生代生物あいうえお」を完成させたとき、
    彼は喜びに打ち震えしばらく寝られなかった。)
   彼の脳裏には古生代の海中をアノマロカリス類が泳いでいるのが見えているのだろう。

私 「いいなあ〜アノマロカリスたちが泳いでるんだね・・・」
息子「じゃあねえ、次は、『ヒョウのおかあさん』」
   今度はゆっくりとした穏やかな曲だ。
   私は風呂掃除をしながらなのであまりよくは聞こえないけれど、
   主旋律を繰り返そうとしている様子はわかる。
   けっこう長く、3分ほど弾いている。
息子「どうだった?」
私 「う〜ん・・・ヒョウのおかあさんが子どもを思う優しい気持ちが感じられますねえ〜」
   適当に答えてみた。
息子「わーほんと?じゃあ次は、こんなの!聞いて!」
  思わぬ勇気づけになったようで、息子は目を輝かせてピアノに向かった。
  今度はかなり激しい。鍵盤をこぶしで叩いている。
  これはもしかすると、先日ピアノの先生が弾かれたプロコフィエフのピアノソナタ第6番の激しい箇所を真似ているのではないだろうか・・・?
私 「すごい!これ、先生がこないだ弾いた曲の感じみたい。激しいね〜」
息子「これは、『ティラノサウルスは最大で最強の恐竜』!」
私 「ああーなるほど!」
息子「すごいでしょ!次はね、『ティラノサウルスとトリケラトプスの戦い』です」

と、このように続々と息子は作曲を続けて、
とうとう組曲『ティラノサウルスの時代』ができあがった。

第1楽章 水辺のパラサウロロフスたち
第2楽章 シロアリの巣を襲うアルバレッツサウルス
第3楽章 ティラノサウルスは最大で最強の恐竜
第4楽章 ティラノサウルスとトリケラトプスの戦い
第5楽章 ティラノサウルスの絶滅

息子は喜びのあまり跳ね回って、そのうちにティラノサウルスの格好で跳ねて、
ふと「あ、これ、バレエだ!」と叫んだ。
こうしてバレエ組曲『ティラノサウルスの時代』ができた。
そして「お母さん、シロアリになって!」と言われ、
シロアリの私はアルバレッツサウルスの息子に食べられたり、
しゅんすけがトリケラトプスになってティラノサウルスこうすけに食べられたり、
ステゴサウルスこうすけが這い回ったり、
火山が噴火する中をティラノサウルスこうすけが逃げ回ったり、
ピアノを弾く人がいなくなってしまったけれども彼の中で音楽は鳴り響いているのか、
こうすけはいつまでも激しく踊り続けるのだった。

私 「こうすけ・・・そろそろ夜ご飯、食べよう・・・」
息子「うん、ちょっと待って!もうすぐ火山が噴火し終わるから!
   あ、ご飯終わったら衣装作らなきゃ!」


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by Inahoadler | 2015-11-02 11:03 | Comments(0)

理想は遙か

お友達数人と遊びに行った帰り際、
アイスクリームの自動販売機を見つけたお友達が、アイスを買ってもらった。
少し遅れて私が着くと、息子以外のお友達は皆アイスを買ってもらうところだった。

アイスを絶対に買わなさそうな私に、涙目で駆け寄る息子。
息子「アイス!」
私 「アイスがどうしたの?」
   慎重にしなければ、息子といい関係でいられなくなるから
   努めて冷静に、優しく言おうと決めた。
   目標は、「優しく、きっぱり」だ。
息子「アイス買ってちょうだい」
   私が買わないとわかっているから、もう既に怒っている様子。
私 「そうか、アイス食べたいんだね。でも、今日はやめておこう。」
息子「えーーーアイス食べたい!」
私 「そうだね。でも、こうすけは今風邪ひいていてお薬も飲んでいるでしょう。
   今日はちょっと寒いし、これから歩いて帰るからお腹冷えて痛くなると困るよ
   今日はアイスやめた方がいいと思う。」
息子「・・・・・・食べたい。」
   うつむいて涙目になっている。
私 「それはわかる。でもやめよう。」

私たちのやり取りをハラハラ見ていたお友達のお母さんが、
「こうちゃん、これみんなで一緒に食べようと思って持ってきたクッキーなんだけど、どう?」
とお菓子を勧めてくれた。
息子はありがとうと言ってお菓子をいただいて、少し笑顔を見せた。
でもこれで収まるわけはなく。

息子「ぼくもアイス食べたい」
私 「そうだね、でも買わないわ。ごめんね。さあ、パン買って帰ろう!
   こうすけの好きなパンお昼に買って帰ろうね。お約束してたでしょ。」
息子「!パン!」 
   大好きなパンが食べられることを思い出して顔が明るくなる。
私 「うん、パン屋さんに行こう♪」
息子「・・・でもアイス食べたいの」
私 「アイスはまたあったかい日にしよう。今日はおうちでパン食べよう。」
息子「・・・(ため息)うん、パン買って。」
   気持ちを切り替えてくれた!良かった!
私 「うん!どんなパンがあるかな〜」

するとお友達のお母さん方が、すかさず
「こうちゃん、えらいねえ!どんなパン食べたか今度お話してね!」
「こうちゃん、パン屋さん行くのいいねえ!美味しいパン買ってもらってね!」
と息子を勇気づけてくれた。
なんてありがたい!
息子はその後すぐに、アイスを食べているお友達にばいばーいとあいさつをして、
パン屋に向かって一緒に歩き始めた。

私 「こうすけ、ありがとう。アイス食べたかったのがまんしてくれて。」
息子「え?ぼくがまんしてないよ。」
   ご機嫌はあまり良くない。まあ当然のことだ。
私 「そんなことないよ、がまんしてるよ。Kくんのお母さんもTくんのお母さんも、
   こうすけががまんしたから偉いなあってびっくりしてたよ。」
息子「ぼくがまんしてないの!だって怒ってるもん。」
私 「そうか怒ってるんだ。でもさっき抑えていたね、ありがとう。」
息子「さっきは抑えれたけど、もうすぐわあって叫び出すんだ!」
   なんだかめちゃくちゃ面白いなあこの子はと思う私。
   私に陰性感情は今のところまったく見あたらない。
私 「そっか。わあって叫んだらなんかいいことあるのかな?
   叫ぶのは自由だけど、でもここ車通るから、気をつけてね。」
息子「・・・いいことあるかどうかはぼく考え中なんだ!ぼくがまんしてないもん!」
   まだいらいらしている様子。
   でも私は、息子がこういうすねた状態でも会話できていることがなんとなく嬉しい
私 「そうなの?アイス食べなかったから、この状態はがまんしているって言うんだけど」
息子「がまんしてない!」
私 「ふーん。まあこうすけがそう思ってるならそれでいいけど。
   でも一般的にはアイスを食べなかった状態はがまんできてるって言うよ。
   それで、それはすごいことだと思うよ。」
息子「すごくないよ、だってぼく怒ってるもん、アイス食べれなくて。」
私 「怒ってるんだ。・・・あれ、アイス食べれなかったっていうのは悲しいんじゃないの?」
息子「怒ってるの!アイス食べれなくて。泣きそうだったし!」
私 「それはやっぱり悲しいんじゃないかなあ」
息子「怒ってるの!」
私 「そうなんだ。」
息子「怒ってるから、がまんしてないの!」
私 「・・・!そうなんだ!」
   息子の理屈がわかって驚いた。

パン屋に着いた瞬間、息子はにこっとして、
「ぼくもう怒るのやーめた!」と宣言した。
それから私たちは楽しくパンを選んで、仲良く家に帰ってパンを食べた。



どうやら息子は、ありがたいことにがまんすることはとてもいいことだと思っていて
それも機嫌の良い状態で、涼しい顔でがまんできることが理想のようだ。
でも今回彼はみんなの前で、怒ったり悲しんだりしていたから、
理想的にがまんすることができず、不本意だったようだ。
アイスが食べられなかったことが嫌だったというよりも、
彼にとっては大人げない反応をした自分の方が嫌だったのかもしれない。
なぜなら、アイスが食べられないことは彼は最初からわかっていたからだ。

みんなが食べていても自分は食べられないというその状況を作り出したのは
ほかでもない私なのだけれど、彼は一度も私のことを責めなかった。
そして理想的ながまんをできなかった自分に対して苛立っていた。
・・・我が息子ながら、めちゃくちゃストイックでかっこいいではないか。
いい男になれよと思う。


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by Inahoadler | 2015-11-02 00:07 | Comments(0)