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夜の女王とパセージ

9月から10月にかけて、念願のパセージを受講した。
新しい仲間の輪が広がり、学びが深まり、
有意義な時間を過ごすことができた。
ご協力くださったみなさまにとても感謝している。


私は今回パセージを受けて、章が進むごとにどんどん
子どものことがかわいくてたまらないと思うようになっていった。
子どもが不適切な行動をしているとき、
今までは本気でイラっとすることがあったのだけど、
だんだんと、ああこれはこの子によくあるパターンだなと、
冷静に見れるようになってきた。
そして、陰性感情が起きると課題シートに書くネタができるので、
むしろ不適切な行動はラッキーだとさえ思えた。
課題シートに書くのなら、どうせなら前回とは違う対処をしてみようって思えたので、
様々なバリエーションでパセージを実践する努力もできた。
陰性感情を持っていても、なんだかこちらに実験していく余裕があるので、
子どもの陰性感情もそれほど大きくならないことが増えた。


子どもの不適切な行動は、
子どもにとっても好ましくない事態である場合が多いから、
より適切な行動を共に話し合って見つけられたら、
それは子どもを援助することになるんだと感じた。
その話し合い方が、パセージの要で、
でも頭でわかるのと現場で実践できるかは別ものだ。
とにかく場数を踏むこと、下手くそでも果敢に実践することが何よりだと思う。

ひとつひとつのエピソードについて、
こちらが丁寧に自分の行動を点検しながら
子供の話を聴いて、話し合っていくことが日常になると、
毎日の様々な事がらひとつひとつが、本当に愛おしく思えてきた。
この子はどんな人なのかな、何を学んでくれるのかな、
いつもそう思って暮らしていると
私の景色でしかなかった生活が、
子どもにとっては違う景色であることにようやく気づいた。
そしてそれぞれの景色に同じ意味づけをする機会が増えると、
私たちは共に生きているのだと、いつも嬉しく実感できるようになった。



2歳になった次男は、歯磨きがあまり好きではない。
6歳になった長男が同じ歳だった頃ほどに激しく嫌いはしないけれど、
歯磨きは夜の一大イベントである。
長男が歯磨きをして見せると、
(協力的なおにいちゃんに感謝!)
次男はぼくもしようかなと思ってはくれるけど、
口を開けてはくれない。

ある夜、
私は次男の歯磨きをしながら
「口を開けてください〜あー
♪あーあああああああああー
あーあああああああああー♪」
と、夜の女王のアリア(オペラ「魔笛」byモーツァルト)を歌ってみた。
2歳頃の長男の歯磨きのときによく歌っていたのを思い出したので。
歌の好きな次男は大喜びした。
ちょっとだけ口を開けた瞬間に、素早く歯ブラシをつっこんでちょっとだけ磨けた。
同じく喜んだ長男が、ぼく夜の女王のオペラ見たい!と言った。
夜の女王のアリア一曲だけ(3分強)ならいいよと言って、
3人で動画を見ると、子どもたちはいたく気に入った様子。
1日のテレビの視聴時間は1時間以内、というルールを長男と決めているので、
長男は「明日はテレビ見ないから、明日もっと夜の女王の歌見せて!」
と言った。
ほんとに交渉上手。もちろんOKした。

次の日、3人で夜の女王のアリアの動画を何本も見た。
中でも、Diana Damrauという歌手の夜の女王が気に入ったそうだ。

このアリアはソプラノ歌手の、コロラトゥーラという超絶技巧の歌で、聞き応えがある。
夜の女王の宿敵であるザラストロを殺せと、
夜の女王が、実の娘のパミーナに命令する場面だ。
パミーナは嫌がるが、
「殺さないのならもうお前は私の娘ではない!
母娘の縁を永遠に切るぞ!言うことをきけ!」
と迫る超絶オニママの夜の女王。

舞台も素晴らしいし、夜の女王の衣装もすごくて面白い。
Damrauは歌もたいへん上手いけれど、美しい上に演技も迫力があって、怖くて、いかにもな悪役ぶり。
次男もコロラトゥーラの部分を♪あああああーと歌うほどに気に入り、
3人で楽しく鑑賞し終わったとき、長男が言った。
「…ぼくのお母さんが夜の女王じゃなくて良かった(^^)」

…ほんとにそうですね(笑)
ザラストロを倒したいのは? ー 夜の女王の課題。
自分の課題を子どもの課題に押し付けてはいけません。
パセージで繰り返し学んだことだ。
しかも、夜の女王は母娘の縁を切ると脅して、
娘の話を遮って1人で歌いまくって剣を押しつけて去っていくので、
まったくパセージの悪いお手本だ。
パミーナはお気の毒…。(多分そういう話じゃないけど 笑)


その後、長男に私の課題を押し付けたくなるときは、
私は夜の女王のアリアにのせて歌っている。
♪お風呂に入りなさーい!早くお風呂に入りなさーい!
さもないともうお前は私の子ではなーーい♪
長男、大爆笑。


ここのところ毎晩、
夜の女王のアリアの動画を3人で一回見てから歯磨きをしている。
変わった親子だと思うけど、
一緒に楽しくオペラ鑑賞ができて、
一緒に楽しく歯磨きができて、
私はとても嬉しい。
それに夜の女王のおかげで、毎日パセージのことを意識させられる。
夜の女王も、ありがとう。


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by Inahoadler | 2016-10-31 13:50 | Comments(4)

隊員1号2号

あちこちへ大移動の夏休み。
母子3人で移動中の私の格好は、
もうすぐ2歳の次男(約11kg)を抱っこ紐で前に抱え、
キャリーを引っ張って、
肩にカバンをかけるという重装備だ。
炎天下はさらに気合いで日傘を差していた。
なので、長男(こちらも大きなリュックを背負ってヨロヨロ歩いています)が
私の隣を聞き分けよく歩いてくれないと大変困る。

移動中の大半は長男は機嫌よく、とても協力的で助かったのだけど、
やはりいつでもそういうわけにはいかない。


ある日。
都会の電車は路線が複雑だし、ひとつの電車でも行き先が車両によって違ったりして、
乗り慣れない私は緊張していた。
車内アナウンスを必死に聞き取ろうとしている私に、長男が何やかやと話しかけてきた。
私 「ちょっと今は黙ってて!」
長男「え、あのねお母さん」
私 「お願いだから今は黙って!」
長男「・・・」ふくれっ面をして、でも黙ってくれた。
私 「・・・この車両でいいみたいやわ。ごめんねこうすけ、静かにしてくれてありがとう。
   お母さんさっきの放送を聞いてたの。」
長男「そうなんだ、ぼくもそうかなって思ってたよ。」
私 「この駅から出るのはいろんな電車があるからね、お母さんもよくわからないねん。
   この電車は、前の3両がどこそこ行きで、後ろがどこそこ行きってホームでは聞こえてたんだけど、
   今乗ってる車両が前から何両目なのかわからなかったし、
   降りる駅にちゃんと行けるのかもわからなかったから、一生懸命聞いてたんよ。」
長男「ああ、前はなんちゃら行き後ろはなんちゃら行きって言ってたねえ」
私 「そうそう。ここに路線図があるでしょ。前の3車両はBの路線で、後ろの車両はAの路線に行くんだって。
乗ってる車両は7両目だからAに行くんだけど、
ほらAのところに降りるI駅があるでしょ。
だからこれに乗ってて大丈夫です!」
長男「へえーこれを見たらいいんだね。この電車はAとBに別れて行くの?すごいね。連結が外れるのかな?」
私 「そうかもね。このへんの電車はややこしいね。」
長男「そういえば前、途中で降りたことあったよね。あれは?」
私 「そうそう!あの電車はBの路線の電車だったんだよ。
だから、AとBに別れる前のY駅で降りて、A路線の電車に乗り換えたの。」
長男「あーそうだったんだ。それはそのまま乗ってたら大変だったね。でも今日も間違ってたら乗り換えたらいいじゃん。」
私 「うん。だから合ってるか間違ってるか、Y駅までに確かめなきゃってお母さんは必死だったの。怖く黙って!って言ってごめんね。」
長男「あーそうだったんだ。そりゃー大変だったね。ぼく必死になるのわかるよ!だってBの方に行っちゃったら、I駅に行けないもんね。」
仲直りもできてほっとした頃、I駅に近づいた。
すると近くの席で私たちの会話をにこにこ聞いていたおじさんが
「ぼうや、賢いなあ!お母さん、そこまでその荷物持ったるわ。」
と、キャリーを持って電車から降ろしてくれました。
ありがとうございました。

理由をちゃんと説明したら、このように長男はよくわかってくれるのだけれど、
いつもいつもこんなに理屈っぽく、彼の納得のいくように説明できるわけではない。



また別の日
駅のエレベーターに乗って、私が「『1』を押してちょうだい」と言うと
黙って『開』を押して、「あっ」とか言いながら『閉』を押す長男。
「『1』を押してちょうだい」
「…」(黙って『閉』を押している)
「私の声聞こえてる?」
「聞こえてる!」と不機嫌に言って、長男はようやく『1』を押した。
エレベーターを降りてホームに着くと、長男は私から離れたところで立ち止まろうとした。
困った…これから電車で1時間半の移動だ。
私の指示を聞いてくれないと危ないし大変だ。
私 「こうすけ、これから長い時間電車に乗るから、お母さんの言うことを聞いてくれないと困ります!
お外は危ないし、お母さんは荷物も多いから危ないことがあってもすぐに走れません。言うことを聞いてください!」
長男「…はあい」
長男は下を向いて嫌そうな顔をしている。
それもそうだよね、私陰性感情めっちゃ使ってるもんなあ…
そうだ、J先生の「船長さんの言うことは絶対です!」をお借りしよう!

J先生が長男をカヌーに乗せてくださったときに、
「船の上は危ないので、船長であるJ先生の言うことをきいてください。
船長の言うことは絶対です。いいですか?」
とおっしゃって、
こうすけ船員はノリノリで船長の指示に従っていたことを思い出したのだ。
あのときこうすけ船員は船長をたいへん尊敬し、たいへん協力的に働いていた。


私 「お外を移動中は、お母さんが隊長です!
おじいちゃんのお家に着くまではお母さんの言うことをきいてください!」
長男「お母さんが隊長?(^O^)」
急に目をキラキラさせる長男。よしうまくいった!
私 「そうです!そしてこうすけとしゅんすけが隊員です。
でも隊員2号のしゅんすけ隊員は、移動中は抱っこなのでお手伝いができません。
お手伝いができるのは隊員1号のこうすけ隊員だけです。よろしくお願いします!」
長男「わかりました!(^O^)/」
私 「こうすけがいろんなことできるのは知ってるんだけど、
隊員の間は、隊長が言った通りのお手伝いをお願いします!
1のボタンを押してくださいと言ったら、開や閉は触らずに、1だけ押してください!」
長男「わかりました!(^O^)/」
ありがとう乗りやすいこうすけ隊員(笑)
こうして無事におじいちゃんの家に着くことができた。
私 「お疲れさまでしたこうすけ隊員!無事に到着できました。これにて解散します!」
長男「(^^)…でもぼく疲れてないからお疲れさまって言ってほしくない。」
はいはい…


あくる日、おじいちゃんの家からひいおじいちゃんの家に行くときも
この隊員作戦でノリノリで移動することができた。
このときの隊長は、おじいちゃんにお願いをした。
私 「こうすけ隊員!これからひいおじいちゃんのお家に着くまでは、おじいちゃんが隊長です!おじいちゃんの言うことをよく聞いてください!」
こうすけ「わかりました!(`_´)ゞ」
なんと敬礼までしてくれた。


長男は任務があると輝くタイプのようだ。
お手伝いも大好きだし、弟のお世話も大好きだし、
いちメンバーとしての任務も喜んで担ってくれてよかった。
隊長と隊員は役割分業であって、ほんとうに横の関係だということがわかった。
これからも家事・育児隊長として隊員の養成に尽力します。
きっと隊員1号が隊員2号の養成を手助けしてくれることでしょう。

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by Inahoadler | 2016-08-09 15:35 | Comments(0)

重厚長大

外でたくさん激しく遊ぶ長男は、出かけるとどこかにけがをする。
でもけがをしても泣かないし、必ず「痛くなかったよ」と言う。

ひざにけっこうなケガをしたときに「これは痛かったんじゃない?大丈夫?」と聞くと、
「痛くないよ。大丈夫。」と、足をひきずりながらがまんしていた。
その日お風呂場で「しみて痛いからお風呂には入らない。」と言って
長男は片足立ちをして体を洗い始めたが、
しみて痛いと言っているのは、ひざではなくて足の裏らしい。
「え?足の裏にもケガしたの?」
「うん。貝殻みたいなので切ったみたい。」
「えー?ひざのケガ見せてくれたときに教えてよ。」
と言って足の裏を見ると、けっこう深い切り傷があった。
「あのね、お母さんはこうすけが大事だから、ケガをしてほしくないの。
 もしケガをしたら、早く治るように手当をしたいの。だからケガをしたらすぐに教えてくれる?
 ケガをほっておいて、膿んだりするとなかなか治らなくなっちゃうからね。」
「うん・・・」
少し強い語気になってしまったけれど、私の気持ちは伝わったようだった。

次の日の朝、長男は早くに目覚めて、ひとりで人体のしくみ図鑑を熱心に読んでいた。
「あのねお母さん、皮膚は、薄い皮が何枚も重なってできているんだよ。
 それでぼくのケガも、新しい皮膚ができてきたんだけど、なんかふくらんできちゃった・・・。」
見ると、ひざのケガから膿みが出て、水ぶくれもできている。
「こうすけ、またケガ触っちゃったの?これ、とびひになっちゃってると思うよ。
 皮膚科に行かなきゃ。」
「そっかあ。触るつもりはなくて、どうなってるのかなって見てただけなんだけど。
 とびひ?前にもなったよね。」
「うん・・・お願いだからケガしたところ触らないでね。」
私は知っている。彼は観察をしたりかさぶたをはがしたり、よくケガを触っている。
そして多分・・・
「もしかしてこうすけ、この水ぶくれをどうしたらいいか調べようと思って、
 体の図鑑読んでたの?」
「うん!・・・なんでわかったの?」
・・・ケガを痛いと言わない。ケガの心配をされたくない。ケガを観察したい。
強いことが大事なんだ。長男は。



旅行先や帰省先のさまざまな食卓で、
「これはちょっと辛いから大人だけね」というお料理が出されることがあると、
必ず長男は「ぼく辛いの食べれるよ!だってわさびも食べれたし、トウガラシも食べれるようになったし!」
と、辛い物を食べられるアピールをする。
それでその辛いお料理を食べさせてもらえる場合もあれば
食べさせてもらえない場合もあるけど、そういうときも
「ぼくほんとは辛いのも食べれるんだけどね、まあいいよ。」とアピールを忘れない。
彼の中で辛い物を食べられるというのは、男らしさの象徴らしい(笑)
仲良しの男友だちの誰がわさびを食べられて、誰がトウガラシを食べられるか、
何度も話してくれるし、
お父さんの方が辛いの食べれるんだよね。お母さんは辛いの少ししか食べられないよね。
と嬉しそうに話す。


重たい荷物を持てるのは誇り。
長旅でも疲れないのが自慢。
だから「重たくない?」とか「疲れてない?」とか聞いても、
必ず「重たくないよ!」「疲れてない!」という返事が返ってくる。
こちらはあなたの心配をして聞いているのですが・・・
長男は誰に聞かれても、殊勝な返事をする。
移動を終えて「おつかれさま」とねぎらうと、
「ぼく、疲れてないからおつかれさまって言ってほしくない」と不機嫌になる。
それ、疲れてるから不機嫌なんじゃないのかい?
ただのあいさつなのに、やりにくいなあもう・・・(^^;;)


背が高くなったのが嬉しい。
体重が増えたのが嬉しい。
高く跳べるようになったのが嬉しい。
速く走れるようになったのが嬉しい。
高くまで登れるようになったのが嬉しい。
側転や逆立ちがだんだんできるようになってきたのが嬉しい。
おすもうが強くなってきたのが嬉しい。
・・・
そうだね、男の子なんだね。
強い、大きい、重い、速い、辛い、高い、長い、
そういう形容詞がだいじなんだね。
恐竜ならティラノサウルス、動物ならライオン、昆虫ならカブトムシ。
君の好きなものはもちろんそうだよね。


我慢強くて、大きいものになりたいという彼のマッチョ思考は、
私は好きだ。
そんな彼に私が学んでもらいたいことは、余裕を残して見積もること。
長男は限界まで頑張るんだろうし、その限界も多分記録更新していくんだろうけど、
自分の今の実力はどのあたりかなって考えてほしいし、
余力を残して新記録に挑んでほしい・・・。
ああでも私は5歳児相手になんて無謀なことを望んでいるんだろう。
だいたい、こういう人は余力を残さず限界までやりきることに快感を感じるんだろうし。
・・・。

うん。困ったことが起きたときに、必要であれば彼のサポートをさせてもらおう。
その他は、彼の好みのやり方に任せよう。
長男は「助けなんていらない」って言いたいだろうけど、
人は助け合って生きていくんだということを学んでもらえるように、
上手につきあっていきたい。
助けが必要なときに求められるように、
そしてそれは弱いことじゃないんだとわかってもらえるように。



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by Inahoadler | 2016-08-03 01:26 | Comments(6)

5歳児に相談

最近私は困ったことがあると、まず5歳の長男に相談することにしている。
なぜなら私の困りごとはたいてい、
ライフタスクに対してアドレリアンとして振る舞うにはどうすべきかということであって、
それはアドレリアンの先輩の意見を聞くのが一番参考になるからだ。


ある日
私 「あの、こうすけさん、相談したいことがあるんですが・・・」
長男「どうしたの?相談したいことってなあに?(^^)」
私 「お母さんが時々『お母さんの意見を言ってもいいですか?』って聞くことあるでしょ、
   こうすけはそういうときどう感じる?」
長男「んー・・・だいじなお話なのかなって思うから、聞こうって思うよ。」
私 「そうなんだ!お母さんのお話はだいじなお話だって思ってくれてるんだね。ありがとう。
   でも時々『言わなくていい』って言うこともあるけど、あのときはどう思ってるの?」
長男「あ、それは、いやなこと言われそうだから、言わなくていいって思うの。」
私 「そうなんだ(笑)いやなこと言われそうっていうのわかるんだね。
   ・・・それでも、お話聞いてほしいんだけどって言われたら、どうする?」
長男「そうだなあー・・・。だいじなお話だったら聞くよって言う。」
私 「わあ、なるほどね!だいじなお話はこうすけは聞きたいんだ?」
長男「うん。だいじなお話は聞いておいた方が役に立つからね。」
私 「そうかあ。役に立つから聞きたいんだ。こうすけはえらいねえ。
   教えてくれてありがとう。
   実はお母さんね、この前おばあちゃまから『私の意見を言ってもいいですか?』
   って言われて、私は『いいえけっこうです!』って断ったんだけど、
   また『私の意見を言ってもいいですか?』ってメールで言われたの。
   それで、なんてお返事したらいいかなあって困ってるんだけど・・・」
長男「そうなんだ。それはだいじなお話じゃないの?」
私 「・・・だいじなお話だと思う・・・(^^;;;)
   ・・・でもね、お母さんは、おばあちゃまと1対1なら、お話聞こうといつも思えるの。
   このメールはいろんな人が読んでいて、それで、いろんな人の前では聞きたくなくて、
   2人のときにそっと聞きたいんだよね〜」
長男「じゃあ・・・」
私 「そうだね、2人のときに聞かせてほしいですって言えばいいんだね!」
長男「うん、それがいいと思うよ。」
私 「ありがとう!助かった!
   これからも相談事があったらこうすけに聞くわ!」
長男「いいよ!」

長男、よきアドバイザーです。
というか、私より処世術に長けているという意味では大人です・・・。
相手に嫌な思いをさせる必要もないし、
自分の嫌なことをがまんする必要はなくて、自分の許容できる条件を提示する。
目標の一致のために必要な過程ですね。     



またある日
私 「こうすけさん、また相談したいことがあるんだけど、いい?」
長男「いいよ!どうしたの?」
私 「こうすけは、お友だちと『みんなでこれで遊ぼう!』って言ったときに、
   『それはやだ!そうじゃなくてこれで遊ぼう!』ってお友だちに言われたとしたら
   どうする?」
長男「ん〜・・・まずは、お友だちの言った遊びをするかなあ。」
私 「!そうなんだ!」
長男「それで、次の日に、またぼくの遊びたかった遊びをしたらいいから。」
私 「はあ〜なるほどね。
   ・・・でももし、次の日もこうすけのしたい遊びはいやだって言われたらどうする?」
長男「それなら、別の遊びをするかな。また次の日にぼくのしたい遊びをしたらいいし。」
私 「そうなんだ。こうすけはいいねえ・・・。
   でもそうしていたら、ず〜っとこうすけのしたい遊びができないかもしれないね?」
長男「・・・あ!そういうときは、Mちゃんと遊ぶ!
   あのね、Mちゃんはね、自分がしたいことがあっても、
   すぐにお友だちのしたい遊びを、いいよって言ってきりかえてくれるの。
   きりかえが素早いの。だからぼくはMちゃんと一緒に遊ぶよ(^^)」
私 「そうなんだ!Mちゃんっていいお友だちだね(^^)
   そっかあ、自分のしたい遊びで遊んでくれるお友だちを見つけたらいいんだね。」
長男「そうだよ〜」
私 「なるほどね〜。こうすけはお友だちと仲良く遊ぶ方法をよく知っているんだね。
   ・・・あ〜やりたいことだけやってちゃだめだね。やらなきゃいけないことをやらなきゃね。」
長男「そうだよ。やらなきゃいけないことをやらないとだめなんだよ。」
私 「・・・ですよね〜。ありがとうございます・・・。」



仕事やお母さんたち付き合いや自助グループなど、色々な場面で、
私は私のやりたいことややりたい方法が強固にあるんだけれど、
どれもが私の望み通りに運ぶわけはなく。
でも大事なことは、私がやりたいようにすることではなくて、
その仕事なりお付き合いなりグループ運営によって目標を達成できるかどうか、ですよね。
目標というのも様々だけれど、すべてに共通しているのは
その場に所属ができているか、その場に貢献できているか、
その場でよい人間関係が築けているか
ということなので、
長男が言うように、お友だちと仲良くするためにはまずお友だちの意見を聞いてみる
ということが必要なのだと思った。
お友だちと仲良くするために、長男は自分のやりたいことを抑えようって思えるんだってわかって、
私はたいへん驚いた。
そしてますます尊敬するようになった。

もはや人間関係においては、私の方が教わることが多いような気がする。
だって彼は、いつも協力的な構えで生きているから。
アドレリアンの先輩の意見は聞いてみるもんです。



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by Inahoadler | 2016-05-25 15:22 | Comments(2)

共に生きていく

幼稚園から母の日のプレゼントを持って帰ってきた長男。
今年はおかあさんの似顔絵と、メッセージと、紙で作ったカーネーションと、
おてつだい券と、その券を入れる袋とが一体となった壁掛けを作ってくれた。
年々絵も上手になって、手先も器用になっているのがわかる。
「おかあさんが喜ぶかなって思っていっしょうけんめい作ったんだよ」
と言ってくれる長男がかわいらしくてしかたがない。

嬉しいな〜どんな券があるのかな、と言って券を一枚一枚みていると、
「なんでもおてつだいけん」
私  おお、便利な券だね。ありがとう。
長男 これはね、先生が書いてくれたんだよ。
「かたもみけん」
私  へえ、ありがとう。・・・これも先生が書いてくれたの?
長男 ううん、これはKくんが書いてくれたの!
私  そうなんだ、Kくん字書くの上手なんだね〜
「あらいもけん」?
「おろりけん」?? なんだなんだ?
長男 あ、これは、「あらいものけん」と「おりょうりけん」だよ。
   Kくんちょっとむずかしかったんだね。でもわかるでしょ。
私  そうなんだ!ありがとう(^^)
   Kくんに書いてもらってよかったね〜
長男 うん!字書ける子は自分で書いてもいいよって言われて、
   ぼくは書けないからKくんに書いてもらったんだ。
   ・・・これっていいことだと思う?
私  すごくいいことだと思うよ。Kくんも喜んで書いてくれたんじゃない?
長男 うん、いっしょうけんめい書いてくれたんだ。ぼくもうれしかった。
私  よかったねえ。たすけあってるんだね!
長男 この券を入れる袋はね、Sちゃんに教えてもらったの。
   ぼくがお休みしてたときにみんな作ったから。
私  そうなんだ。よかったね。Sちゃんも喜んで教えてくれたんじゃない?
長男 そうだよ、こうだよ〜って教えてくれた!
私  いいねえ〜いいお友だちだね〜!


お友だちと助け合っている様子がよくわかって、とても嬉しかった。
長男は友だちを助けるのが好きなのは知っていたけれど、
こうやって手助けを求めることもちゃんとできるんだ。
もうこの子は1人でちゃんとやっていけるなあと思った。
最近特殊講義と演習「共同体感覚」とアドラー心理学秘訣講座を受講したからなのか、
なんだか私は長男に対して、漠然と不安に思う気持ちが消えてしまったようだ。


この券のおかげもあってか、ますますお手伝いにやる気を出した長男は、
毎晩の夜ご飯の準備をよく手伝ってくれる。
メニューを考えてくれたり、野菜の皮をむいてくれたり、味付けの仕上げをしてくれたり・・・。
それから、少し前からお風呂掃除をするよ!と言ってくれるようになった。
「ありがとう、でも今お母さん忙しいから見てられないんだけど、
 やり方ってわかるの?」と言うと、
「大丈夫です!お母さんがしてるの見てたからできるよ!」と言って、きれいに洗ってくれた。
それから毎日喜んで洗ってくれて、
こんなに私楽してていいのかしら〜と思っていたら、やはり事件は起きるものだ。


長男 じゃあぼくこれからお風呂洗ってきまーす!
私  ありがとう!
長男 あ、しゅんすけがやってきました!どうしよう?
私  ああ・・・まあ、しゅんすけの服ぬれちゃってもいいから、
   いいよ、しゅんすけがいても気にしないでお風呂掃除してくださ〜い。
長男 わかった〜

それから2人がきゃあきゃあ言う声が聞こえてきた。
2人とも服ぬれているだろうけど、まあいいや。
もう風邪ひくような季節じゃないしね、仲が良くてけっこうなこと、と思っていた。
すると「わあ!おかあさん!しゅんすけが服着たままシャンプーしてます!!」
という長男の報告が・・・。
私は思わず笑ってしまった。
そうか次男はお風呂に入ってるつもりだったんだな。
自分でシャンプーしてみたかったんだ。

「それはたいへんや〜」と言ってお風呂場にかけつけると、
服を着たままシャワーの下に立ってずぶぬれになって、
楽しそうに髪を泡立てて洗っている次男の姿が!
なんか、次男は当然のことですという顔をしているのですが。
私 「おおお・・・ちゃんと洗っている!でもしゅんすけ、洗うのは服脱いでからだよ〜」
長男「しゅんすけがシャワーも出しちゃったんだ。ぼくの服もぬれちゃったよ」
私 「そう、しかたがないね。後でぬれた服は脱いでね〜」
長男「でもしゅんすけ上手にシャンプーしてるね!」
私 「ほんとにねえ・・・笑」
私はそれから次男の服を脱がして、髪をきれいに流して、
そのまま体も洗って、次男を乾かした。
その間に長男はお風呂場をきれいにしてくれた。
そして長男は「心をこめてお風呂わかすね」と言って、お湯もはってくれた。


今までだったら、私はもっと焦っただろうなと思う。
・・・一体私に何が起きたんだろう。
子どもたちの起こす事件が、物語の一場面のように思える。
彼らは悪いことをしようなんて気はまったくなくて、
私と一緒に生活している今という時間を、楽しんで生きているんだと思える。
その結果いろいろなことが起きるわけであって、
私はそのいろいろに驚いたり困ったりするけれど、それも幸せだなあと思える。




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by Inahoadler | 2016-05-11 15:03 | Comments(2)

よきフォロワー

長男のピアノの宿題は、私と一緒に連弾する曲が何曲かある。
たいていは夜ご飯を食べ終わってすぐに練習していて、
このときは次男がたいへん活発な時間である。
私が低い方の鍵盤で伴奏をひいて、長男が高い方で旋律をひくのだけど、
毎日おにいちゃんが楽しくピアノをひいているから
次男もピアノを触りたくてたまらない。
ある日は私にだっこをせがんで、私のひざの上で次男もひいたり、
ある日は長男の横の高い高い音を背伸びしてひいたり。
私 「こうすけは、しゅんすけがピアノの邪魔しても上手にひけるし、
   全然怒らないんだね。やさしいね〜」
長男「ううん、しゅんすけは邪魔してるんじゃないよ。
   いろんな伴奏をしてくれてるんだよ。」
そうか、おにいちゃんが伴奏だと思ってくれているから、
しゅんすけも楽しくひけるんだね。

ピアノの宿題には、おんがくノートもある。
音符を書いたり、書いてあるリズムを手拍子したりする宿題で、
クリエイターな長男は、興に乗ってティラノサウルスを書いたりト音記号を練習したり
たくさんたくさん書いたのですぐに1冊目のノートが終わってしまった。
次男はおにいちゃんがノートに何か書いているのが気になって、
自分も書いてみたくてたまらない。
新しいおんがくノートには表紙に次男の好きなうさぎの絵が描いてあって、
クーピーでおえかきをしてみたいのだけど、いつもおにいちゃんに「ダメ」と言われてしまう。
ある日、長男が古い方のノートを「こっちならいいよ」と言って次男に渡すと、
次男はたいへん喜んだ。
それからは子ども用の座ってひける小さなピアノに向かって、もらったノートを広げて、
何かを熱心にかくようになった。
長男は「しゅんすけはおりこうさんだね〜」と満足気。
だって次男はおにいちゃんの真似がしたくてたまらないんだものね。
おにいちゃん冥利に尽きるよね。


長男が木星やら土星やら天体の絵を描いて、描き終わって置いていると
そこに次男が上からぐちゃぐちゃと描き加えていた。
私 「あ、しゅんすけがグチャグチャ描いてるよ!」
長男「え?・・・あ、これはしゅんすけが、彗星とか小惑星描いてくれたんだよ。
   木星に隕石が衝突したところだよ。」
あなたのポジティブな発想力には頭が下がります・・・!
   

恐竜大好きな長男がいろいろな恐竜の図鑑や絵本を読んでいるので、
次男もよく恐竜の図鑑を広げて研究をしている。
次男はパンも好きで、『からすのパンやさん』のパンがたくさん描いてあるページがお気に入りだ。
ある日、「きょうりゅうパン」を発見した次男は「ばっばっうー!!」と叫んだ。
そしてはっと顔をあげて、本棚に恐竜図鑑を取りに急ぎ、
図鑑をがばっと広げて
「これ!ばっばっうー!!」とトリケラトプスを指さした。
ページをめくって「これ!ばっばっうー!!」とまた別の恐竜を指さし、
次々と「これ!ばっばっうー!!」と大興奮で指さしては叫んだ。
なにごとかと長男もやってきて、にこにこと図鑑をのぞきこむ。
しばらくして次男は「きょうりゅうパン」によく似たブラキオサウルスのなかまの恐竜を見つけ
「おお!これ!ばっばっうー!!!!」とたいへん大きな声で叫んだ。
「ほんとだね!ばっばっうーだね!」と長男と私も喜んだ。
次男も大喜び。
長男は「ちがうよこれは〜サウルスだよ」って、この頃は言わなくなった。
正しいことよりも、喜びをわかち合うことに価値を見いだしてくれたのだろうか。
そうだとすればほんとうにうれしいなあと思った。


恐竜も大好きなのだけど、長男は今生きている生き物も大好き。
進級のお祝いに昆虫図鑑を買ってほしいとお願いされていたので、
春休みのある日、DVDつきの恐竜図鑑と同じシリーズの昆虫図鑑をプレゼントした。
毎日のように昆虫のDVDを鑑賞しては、折り紙や段ボールでマニアックな昆虫を作っている。
反射する材質のお菓子箱を使って、パプアニューギニアキンイロクワガタを作ったり、
コーカサスオオカブトムシを作ったり、
蟻地獄とアリ、とか、キノハダキリギリスとかタガメとか・・・。
なかなかに愛がこもっている。
(工作が増えて居住スペースがどんどん狭まっているのがただいまの我が家の問題ではあるが
 その話はまた別の機会にしよう。)
そのバイブル的昆虫図鑑も、もちろん次男の興味の的だ。
おにいちゃんが見ていないときをねらって、けっこう荒っぽくページをめくる。
それを見つけた長男が次男のところへかけよった。
長男「しゅんすけ、ひとつお願いがあるんです!あのね、これはおにいちゃんの大事な図鑑なの。」
おお、パセージ的に話している・・・。次男は神妙な顔で長男を見上げる。
長男「だからね、逆さまから読まないでちょうだい!・・・ね、これでいいよ。」
本の向きを変えて、長男は満足して工作現場に戻って行った。
次男はまた熱心に図鑑をめくった。
・・・私的感覚はほんとうに人それぞれなんだなあと、私は笑いを押し殺して見守っていた。



長男の関心に関心をもってくれる次男は、
ほんとによく長男を勇気づけているんだろうなと感じた。
そして、リーダーシップを遺憾なく発揮できる次男がいて、
長男はよきリーダーになっていっている気がする。
次男がこれからどういう風に成長していくのかもひじょうに興味深い。


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by Inahoadler | 2016-04-12 01:37 | Comments(2)

ある日の食卓

1人で食べたいけれどもまだ思うようにスプーンを使えない次男は
右手にスプーンを持って、左手で手づかみで何でも食べようとする。
「スプーンで食べてちょうだいね。」
「うぷー(スプーン)」と言ってスプーンを持ち上げて、これでしょ?と微笑む次男。
「そうそう、そのスプーンで食べれるかな?」
「こうこう」スプーンでご飯をすくって、すくったご飯を左手でつかんで食べる。
私の言っていることはきちんと伝わっているようだ。
でも今は左手で食べる方が食べやすいのだろう。
こうやって段々とスプーンを使うことに慣れていってもらうしかない。


壬生菜のお漬け物に入っているトウガラシが気になる長男。
「ぼくトウガラシどんな味か気になるな〜。ぼくもう5歳だし、もう食べれるようになったかも。」
「じゃあトウガラシ、ちょっと舐めてみる?」
「いいの?うん、ちょっとだけ舐めてみる!」
「辛くて痛いと思うから、ちょっとだよ〜。」
そーっと舐めてみて、びくっと舌をひっこめてあわてて水を飲む長男。
「・・・」
「どうだった?」
「痛ってなった!トウガラシは痛いね、やめとく。おいしくないね。」
「ね、食べない方がいいでしょう。でも、お漬け物にひとかけらトウガラシが入っているから、
 このお漬け物ぴりっとしておいしいでしょ?」
「このぴりっとしておいしいのは、トウガラシのおかげなの?
 すごいね、トウガラシってすごい能力があるんだね!」
そうか辛いっていうのは能力だったんだ・・・!


たくさん入っているままお味噌汁を飲み干そうとした次男が、
上を向いた顔に上からお椀をガバッとかぶって、
呆然としている。
「お皿は上向けたまま飲んだ方がいいね。」
神妙にうなずいて、空のお皿を上に向けて食卓に置いた次男。
「しゅんすけおりこうさんだね〜」と言う長男。
次男の服もイスもべちゃべちゃだが、
この時期は家や服が汚れるのも仕方ないと思えるようになった。
どうせ掃除するのは同じだから、
陰性感情を作るという無駄なエネルギーを使わない方が疲れない。


床をふいていると、
「見て!サツマイモスペースシャトル!」
長男は焼き芋の皮をところどころむいて、ロケットを作っていた。
「うわあ、ほんとにロケットに見えるね・・・」
「ここが窓で、ここが燃えてるところだよ♪ぼく何でも作れるんだ!」
「・・・サツマイモでも何でも作れちゃうんだね。」
お行儀よく食べてほしいんだけど、楽しそうだしどうしようかと思っていると、
「・・・でも食べ物で遊んじゃだめですね。」
と言って長男は食べ始めた。
「うんそうだね。でもさっきのほんとにロケットみたいだったね。」
「うん、とがってたからね!」


とろろ昆布をお箸でつまんで顔の上から垂らして、釣られた魚のようにして長男が食べている。
「それ、お行儀いいと思う?」
「うーんわからない。」
「じゃあ、お母さんが幼稚園で一緒にお給食食べるときに、
 そうやってあーんってとろろ昆布食べてたらどう?」
「嫌だ(笑)」
「そうだよね、じゃあそれはお行儀よくないってことだね。」
「あーそうか!」



次男はこれから1人で上手に食べられるようになるための練習中。
長男はお行儀よく食べられるようになるため、試行錯誤中。
私が陰性感情を使ってうるさく言わないで、
楽しく上手に食べられるように、一緒に練習できたらいいなと思う。
彼らは、不適切な行動をしようと思ってしているんじゃない。
適切な行動を知らないか、適切な行動がまだできないだけで、
成長と共にこの不適切な行動は消えていくだろう。
面倒くさいといえば面倒くさいけれど、
こうやって食事の仕方が話題にできる時間なんて、きっとごく短い。
日々の今の小さな困りごとが、懐かしい思い出になってしまう前に、
今の子どもたちの関心にもっと関心をもちたいなと思う。


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by Inahoadler | 2016-03-31 00:28 | Comments(0)

構えを変えた魔法

26日に倉吉エンカレッジの会の定例会に初めて参加した。
4人グループで、ケアミーティングの手法を使ったワークをした。
私が事例提供者となって、エピソードを聞いてもらったのだが、
たいへん勇気づけていただいてありがたく、
また、ワークで考えたプランがたいへん有効だったので、その効果を報告したい。


エピソードは、例に漏れず5歳の長男と私のやりとり。
屋内の子どもの遊び場に遊びに行っていた日のこと、
長男が見知らぬ子ども2人と追いかけっこをしていた。
どうやら戦いごっこをしているらしく、相手の1人は剣らしき棒で長男を叩いている。
長男はもう1人の男の子をつかんだり、叩いたりしている様で、
なんだか激しい戦いのようだ。
その子たちの知り合いの女性が私のところへ「叩くのをやめさせてください」と言いに来た。
その子たちのお母さんの話ならまだわかるんだけど、とか思いながらも
「こうすけ、1階に行っておやつ食べよう」と長男に声をかけた私。
長男は顔は真っ赤で汗だく、目はつり上がって、口はへの字で、完全にブチギレていた。
こんなブチギレ長男を見るのは、11月頃に家のドアを蹴りたおしていた頃以来だ。
長男は黙って私についてその場を離れようとするが、
また戦いは始まってしまい、子どもたちは走っていってしまった・・・。
困ったなあと思っていたら、その子たちのお母さんが「すみません、うちの子激しくって・・・」と来られたので
「いえ、こちらこそ、激しくてすみません」と言った。
お母さんご自身は子どもたちの戦いをあまり気にしていない様子なのでほっとした。
だって子どもの課題ですから・・・。
とはいえ、長男があれだけしつこく追いかけ回しているのも珍しい。
「こうすけ、1階に行こうよ」ともう一度うながすと、長男は黙ってついてきた。

1階のテーブル席に着いて、長男の座っているすぐ隣に私は腰を下ろした。
すると長男は、ひじで私をグイグイと押した。
相変わらず真っ赤に怒っている顔をしている。
私 「・・・あの子、知り合い?」
長男「ううん、知らない子。ぼく、カンカンに怒ってるんだ!」
私 「それは、誰に対して怒っているの?お母さん?」
長男「ううん、あの子。ぼくあの子嫌い。」
私 「そうなんだ。・・・おやつ食べた後、また2階に行ったらあの子に会うと思うけど、どうする?」
長男「え、叩く!だってぼくカンカンなんだもん!」
私 「うーん、・・・そうしたら、あなたの問題は解決するんですか?」
長男「・・・解決しない。」
私 「そっかあ。どうしたらいいだろうね。」
長男「・・・」
私 「あ、こうすけマーカー持ってきてたよね。折り紙の部屋に行くのはどう?」
長男「あ、そうだった!うん、塗り絵しよう!そしたら会わないですむもんね!」
長男の顔はぱあっと笑顔になって、穏やかになった。
それから長男はごきげんで折り紙の部屋に行った。


1階に降りてからの私と長男の会話に焦点を当てた。
支援対象者は長男で、
書記の方にエピソードを書き取ってもらい、長男の表情や服装などのイラストも書き込んでもらった。
長男はどんな子なのかを他のメンバーさんにもイメージしてもらえるように、色々と描写していった。
それからこのエピソードにタイトルをつけた。悩んだ末、「ぼく、カンカン!!」に決定。
次に長男の良いところと、(長男を取り巻く)環境の良いところを、付せんに書いた。
みんなで良いところを出し合って、関連するものどうしを集めて付せんを貼り付けていった。

長男のストレンクス
・元気!
・知らない子とも体をぶつけ合って遊べる。
・「怒っている」と冷静に自分をみている。
・自分の気持ちを言葉で母に説明できる。
・予測をして考えられる。賢い。
・母の話をよく聞ける。
・気持ちの切り替えが早い。
・好きなことがある。

私のストレンクス
・長男の話を聞いている。
・長男の側にいる。
・パセージを実践している。

などなど、たいへん嬉しい言葉をいただいた。
事例提供者になると、いつも長男や私のいいところを言ってもらえるので
とっても嬉しい(^^)

さて、このワークではここからが山場で、長男のなりたい理想像を描くという作業があった。
色々と話し合う中で、
長男はみんなで楽しく、何かを作り出すのが好きなのかな、という方向にまとまり、
「プロジェクトチームリーダー〜楽しいものを楽しく作ろう〜」という「キラキラ」が出てきた。
このリーダーは他のグループが何をしていてもあまり気にせずに、
自分の好きなことをメンバーにも楽しんでもらうことが大切みたい。
そして、自分が発案者、決定者のリーダーでなければならないみたい。
リーダーという役割と決めなくてもよいのでは、という意見もあったけれど、
いやいや長男はリーダーがやりたいんですよ、ということに私は気づいたのだった。

最後に、長男がこのキラキラに向かうために、私が具体的にできることは何か、というプランを決めた。
いつ: いつでも
誰が: 私が
何を: 「こうすけ、これはどうしたらいいかな?」と尋ねてみる。
プラン名: リーダー、これはどうでしょう?


ベテランアドレリアンさんのナイスアシストなどがあって、
かなりアクロバティックにうまくいったケースだとは思うけれど、
具体的なプランを考えるのはなかなかいいなと思った。





帰宅直後から、私はさっそく「リーダー、これはどうでしょう?」作戦を実行した。
私が帰宅して興奮して、なかなか食卓に着こうとしない長男。
かわいいなあと思いつつも、これでは食事ができず困ります。
(陰性感情を起こさなくなった私、ずいぶん成長しました・・・(笑))
「ねえねえ、ご飯食べたいんだけど、どうしたらいいかなあ?」
「あ、そうですね、じゃあ、ぼくがお味噌汁入れるよ!」
「わあ助かる!ありがとう!」

お風呂になかなか入ろうとしない長男。
「どうしたらお風呂に入れるのかな?」
「あと2回ボールを投げたら、パジャマを出して、入りま〜す!」

工作した後の段ボールやガムテープが床に散らばっている
「お部屋をきれいにしたいんだけど、どうしよう?」
「ご飯の後で片付けま〜す!」

こんなにうまくいっていいのか?!というほど、今のところかなりの効果がある。
ポイントは陰性感情を込めないこと・・・当たり前だけど。
長男は何を言い出すかな?とわくわくして尋ねているので、
長男は、私が自分に関心をもっているんだと強く感じてくれているようだ。
そしてやはりお兄ちゃん、相談されるのは嬉しいようす。
別に何でもないことでも、これまでのように私が決めるんじゃなくて、とりあえず長男におうかがいをしてみる。
そのうち「お母さんがご自分でお願いします」と言うようになるかもしれないけれど、
今はこのやり方で、彼のリーダーをしたいという気持ちが満たされているようだ。
数日このプランを続けてみて、私がリーダーを無意識的にやってきたということがはっきりわかった。
だからリーダーをめぐっての争いが、私と長男の間には密かにあったのかもしれない。
リーダーとフォロワーは横の関係。
私は一生懸命にこうすけリーダーを支えていこうと決めた。


工作ができたから見て!と呼ばれた私。
「しゅんすけが今お母さんの足の上でぐっすり寝てるから、今そっちに行けないんだけどどうしよう?」
「・・・ほんとだ、しゅんすけ寝てるね(^^)じゃあ、後で来てね!」
「うん、後で行くね、ごめんね。」
「・・・あのね、やっぱり持ってきた。ほらこれ見て!ウミガメ作ったよ!」
うん、いいアイディアがどんどん出てくるね。


今まで「お願い〜して」って言っていたのが、全部「どうしよう?」に変わっただけなのに、
私は、いつも長男の仲間だと思えるようになって、いつも長男の力になろうと思えるようになった。
一番いい答えは長男が知っていると、彼を信頼するようになった。
そして彼に対して、私の思うとおりのいい子になってもらいたいって思わないようになった。
だって彼は、私が思う以上に物事をよくわかっていて、いい子だから。
・・・これはいったい何なんだろう?
あのエピソードから、私の力では「彼はリーダーをしたい」ということは導き出せないように思う。
あのときかかったのは、いったいどんな魔法だったんだろう?


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by Inahoadler | 2016-03-29 01:58 | Comments(4)

試練の日

先日、次男の1歳半検診に行った。
検診の数日前から私は緊張していた。嫌いなのだ。
発達や発育が順調かどうか見ていただけるのはありがたいことだが、
チェックされている、厳しく審査されている気がして、落ち着かないからだ。
子どものことだけでなく、私の母親としての能力や資質を・・・。
気にしすぎと言われればそれまでだけれども。

この日は長男の幼稚園が休みだったので、お願いして長男についてきてもらった。
長男はリュックにぎっしりと絵本をつめて持ってきて、
検診会場に着くともくもくと読み始めた。ありがとう、とても助かるよ!

会場では、1歳半のちいさい子たちがあちこちで泣き叫んでいた。
緊張して固まる次男。
これから身体測定、歯科検診、歯磨き実演、保健士さんとの面談、と
次男にとっては嫌なことがたくさん待ち受けている。
他の子どもたちも、長時間待たされるし、早く帰りたくって泣いているんだろう。



まずは発達検査に呼ばれた。
長机をはさんで保健士さんと向き合う。
「はい、しゅんちゃん、どれがわんわんかな?」と絵を見せてきた。
あいさつもなしで、初対面の人にいきなり指示されて面食らう次男。
「しゅんちゃん、わんわんどれか教えてね。」
次男は私にしがみつき、保健士さんから目をそらして口をへの字に曲げている。
あ、いやなことがあったときにする顔だ・・・。
「あれ?しゅんちゃん、わんわんどれ?教えてちょうだい!」
保健士さん、イライラしてきたようす。
でもこれは保健士さんと次男の関係なので、間に入らずに見ている私。
次男は普段人からこんな支配的に言われることないから嫌なのね。仕方がない。
「じゃあぶっぶーどれかしら?しゅんちゃん!」
意地でも目を合わさないように、保健士さんに背を向けて
全身で「いやだ」と表現する次男。なかなかがんばります。

「じゃあ、先に積み木を積んでもらいましょう。はい、しゅんちゃん、高く積めるかな?」
きれいな色の積み木が出てきて、興味をもった次男。
保健士さんの積んだ積み木の上にそーっと積んだ。
すると、保健士さんが「もっと高く積みましょうね」、と言って
保健士さんが積んでいた積み木を崩して、次男の前に置いた。
次男、えっと、この上に積んでいいのかな?
それともさっきぼくが積んだやつ、崩した方がいいのかな?と迷っているようす。
「はい、高く積んでね。」と保健士さんは言って、次男の前に積み始める。
次男もその上に積み上げた。
「はい、じゃあぶっぶーはどれ?」とまた絵を取り出す保健士さん。
「ぶっぶー」と言う次男。
「しゅんちゃん、わんわんはどれ?」
また顔をそむける次男。

「あー・・・じゃあママに聞いてもらおうかな〜?」
・・・それは私にお願いしているんですか?それなら私に対して話してもらいたいんですが、
と内心陰性感情−3ぐらいになりながらも、
「しゅんすけ、わんわんはどれか教えてくれる?」と次男に尋ねた。
次男は私の顔を見て、絵を見て、また顔をそむけた。
今、バカにしないでよって言われた気がした。
「しゅんすけ、わかってるの知ってるんだけどさ、車はどれか指さしてくれない?」
ちょっとため息をついて、次男は車を指さした。
「はい、じゃあわんわんはどれ?わんわんは?」と保健士さん。
次男はやっと犬の絵を指さした。
「はい、おさかなはどれ?」、「りんごはどれ?」とうながされ、
時間をかけてなんとか指さして、「はい、おくつはどれ?」と聞かれると、
次男は「たった!」と言ってさっき自分のくつを入れた下駄箱を指さした。
「あーはい、まあいいでしょう。」

「どんな言葉をお話しできますか?」
えーっと・・・と詰まってしまった私。
次男とまったく問題なく「会話」しているつもりだったので、
そういえば彼がどんな「言葉」を話しているのかあまり意識していなかった。
私「ぶっぶーとか、わんわん、にゃーにゃ、とか・・・」
保「他にはありませんか?」
私「えーっと・・・トマト」
保「?トマト?」
私「りんごはごーで、小鳥はちゅんちゅん、魚はかーで・・・」
保「魚はかー?」
私「そうです、魚はかーです!」
なぜか陰性感情−4になる私(笑)
保「・・・まあ、3語以上は出てそうですね。2語文はどうですか?」
私「あ、まんま、おいちって、この前言いました。」
保「あ、まんまは言えるんですね。2語文はこれから、と。」
保健士さんの手元の書類には、まんま、とかぶっぶー、とか、幼児語が書いてあって、
しゃべれる言葉に○をつけるようになっていた。
そこにトマトとかちゅんちゅんはなかったので、欄外にメモされていた。

面談が終わってから、次男は
「きゃきゃ(お茶)」とか「(にん)じん」とか「ちーじゅ」、
とか「っぱん」とか、「(ひじ)き!」とか、
もっと多くの食品を言えることも思い出したし、
「だい(す)っき」、「だいじ」とか、「あーとっ(ありがとう)」とか、
心の動きを伴う言葉だって彼は話していることを思い出した。


身体測定と歯科検診の後、かなり長い待ち時間があった。
次男はもうここから逃げたくてたまらないようす。
「あっち、あっち」と、部屋の隅の本棚の近くへ行きたがる。
すると次男は、本棚の後ろ側が非常口になっていて、
その手前に少しスペースがあることに気づいた。
部屋の中の人からは見つからない死角だ。
彼はちょこちょこちょこっと本棚の後ろに隠れて、ほっと一息ついた。
(私は背の低い本棚の上からのぞき込んで一部始終を見ていた)
非常口のガラス戸から外を眺めたり、本棚のすき間から部屋の中の様子を見たり、
ひとりで楽しそうに過ごしている。
ときどき首を突き出して、私が近くにいることを確認する。
ああ次男はほんとうに「安全なところで自由にしたい」人なんだなあと思った。

私と次男がいるべき場所にいないもんだから、
長男は待合の部屋で、次男の名前が呼ばれないかどうか聞きながら
ひとりで本を読んで待っていてくれた。

その後阿鼻叫喚地獄絵図の歯磨き実演も終えて、私と次男はぐったりして帰宅した。


次の日の朝、次男がものすごい泣き声でオムツを換えろ、ご飯ちょうだい、と訴え、
びびる私と夫。
だが様子の変わったところは何もなくて、
前日の検診で子どもたちが泣きわめいていたのを真似しただけだったようだ。
普段の次男は、泣いてうったえたところで、
みんなににこにこと泣き止むのを待たれるだけだから、あまりしつこくは泣かないのだ。
しつこく泣くときは体調の悪いときぐらい。
検診のとき次男は、嫌なことをされているときは泣いていたけど
解放されるとすぐに泣き止んでいた。
確かにずーっと泣いている子とか、泣くことで注目関心を得ようとしている子とか、
いたものね。次男も周りからいろいろ学ぶんだと思った。
だが、相変わらず泣き叫んでも相手にしてもらえない次男は、
その日のうちに大泣きすることをあきらめた。



アドラーの常識は世間の非常識とかいうけれど、
泣いている子にかまって、
子どもに命令口調で指示をして、って、
子どもにとっていいことは何もないような気がした。
長男の方は激しく反抗するタイプで
次男の方はどちらかというと不服従のタイプなのであまり気づかなかったけど、
うちの息子達はどちらも、
競合的な、縦の関係にとっても敏感で
決して意に沿おうとはしないんだということがわかった。
・・・まあ、私もそうなのかもしれないんだけど(^^;;;)

これから学校に行くようになったら苦労するだろう。
でも若いうちの苦労は買ってでもした方がいいと思う私は、
家で彼らを、外で思いっきり戦えるように勇気づけたいと思うのだった。
・・・私も戦い続けるんだろうな。アドラー的でないこの社会と。


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by Inahoadler | 2016-03-21 02:14 | Comments(0)

勇気づけ

今年の1月から、Adlerjala(アドラージャーラ)という子育てサークルを始めた。
アドラー心理学やパセージをこの地域に浸透させていくため、
やがてはパセージが開けるようになって、
パセージのフォローアップの会になれるように活動中だ。
パセージリーダーさんのFさんのご協力のもと、
今月に入ってからアドラー初心者のメンバーさんも入って来られた。

他のいくつかの子育てサークルに行ってみたときは
どうも気疲れがあるだけで楽しめなかったけど、
でもここはなんか全然違いますね、初めて来たのに不思議とすごく落ち着けます、
と2人の方に言っていただけた。
とても嬉しかった。
ここは、はじめて出会う人たちどうしも仲間だって思えるような場なんだと思えた。
これがゲマインシャフト。アドラーの目指した共同体感覚のある場所なんだ。
それが、アドラー心理学の自助グループの持つ特徴なのだろう。
勇気づけ合う関係が築かれている場なのだろう。

私自身はほぼ野生のアドレリアンというか、門前の小僧というか、
母がアドラー心理学を学び、実践しているのを見聞きして(ときには実験台になった)だけだ。
まだ無資格無免許運転である。
パセージやアドラー心理学を説くことを、許されてはいない。
そんな私を、あれよあれよとその気にさせてくださって、
自助グループ的なグループを立ち上げるように勇気づけてくださったのは
私が受講したパセージリーダーのFさんとRさんである。
そして今のところ大した事故を起こさず、
毎回深い学びのある会にできているのは、パセージ修了者のKさんのおかげである。

一体これはどうなっているのだろうか。
ただ、とてもありがたく感じるのは、私は望まれてここにいる、ということだ。
ものすごく強く、所属している!と感じる。ここは私たちの場所だ、と。
私は、私のしたいことをするのではなくて
私のすべきことをしなければならない。
慎重派の私としては、きちんと勉強をして
パセージリーダーの資格を取ってから自助グループを開きたかったのだが。
しかしこうして新しいメンバーさんにも繰り返し来ていただけて、
このタイミングで開かなければいけなかったのだなあと、
自分のお役目にノーと言わないで従ってみて、よかったと思う。




以前Adlerjalaで私と長男のエピソードをお話したのだが、
( エピソードの内容はこちらをご覧ください↓
 「あやしいにおい」 http://adlerjala.exblog.jp/22602308/ )
今日、長男が、そのエピソードを絵本にしようと言い出した。


少し前に長男は、私が文章を書く用事をたくさんしていることに興味を持ち、
「ねえお母さん、モモちゃんのママみたいに、ぼくとしゅんすけのことお話にして!」
と言ってきた。
モモちゃんのママというのは、彼の愛読書『ちいさいモモちゃん』
を書いた、松谷みよ子さんのことだ。
子どもの頃の私の愛読書でもあったけれど、親になってから読むと、
自分の子どもたちとのやり取り、子どもたちの成長を、
こんな風に童話にできたらどんなに素晴らしいだろうって、私も思っていた。
完全に私と長男の間で、目標の一致が取れた。
「うんできるよ!
 お母さん実は、こうすけとしゅんすけのお話、今も書いてるんだ。」
「ええええほんと?」
「うん。ほら今書いてるのも、実はあなたのことです(笑)」
「え?どれ?・・・わあ、ドラゴンごっこって書いてある〜!!
 じゃあね、お母さん、文章書いてね。ぼくは絵を描くから。
 それで、絵本にしよう!」
文章を書けるという私のストレンクスは、この日のためにあったのねと思えたほど、
私は長男の喜びように勇気づけられたのだった。


そして今日。
「ぼく、今日は絵本描くわ。目次と、絵はぼくが描くから、
 お母さんは空いたところに文章を書いてね。」
「わかりました!」
「第一章は、ガムテープがドロドロになったおはなし です。」
「わあ、あのお話絵本になるんだ!」
「うん♪まずは第一章から描くんだ〜」

しばらくして、長男は本のように貼り合わせた落書き帳の紙を持ってきた。
「見て!これは目次で、第一章の1ページ目は、これ。
 これがストーブで、このストーブの上の黒いのが、ドロドロのガムテープだよ。
 それで2ページ目は、お父さんとストーブの絵だよ。わかる?」
「うわあよくわかるよ!どんなお話を書くの?」
「えっとね、
 『あるひ、おかあさんがねていますと、
  むすこのこうすけが ガムテープをはじいて
  ドロドロになって、 ストーブのうえに のっかっていました。』
 2ページ目は
 『よる、おとうさんがかえってきて
  カッターで ガムテープをきりとってくれました。』」
「すごーーーい!!こうすけ、じゃあ今お母さん、ここに今の文章書いていい?」
「あ、そうだね、じゃあ書いて!」
こうしてこのエピソードは絵本になりました。

「すごいでしょ!え こうすけ ぶん (おかあさん)だね!」
「ううん、えとぶん こうすけ だよ!」
「え、でもお母さんが文章を書いたよ?」
「お母さんは書いただけだもん。文章をつくったのはこうすけだから、
 この絵本はこうすけが全部1人で作ったんだよ。」
「・・・そうなんだ!これ、お父さん帰ってきたらぜったいに見せてね!」

このエピソード、私がもう少しアドラーの修行未熟だったら、
長男を激しく勇気くじきしてしまっただろうものなのだ。
それが、長男にとってはいい思い出に変わっていることが
私には泣けてくるほどありがたいことだ。
そして、夫がまたストーブを使えるようにしてくれたことが
どれだけ長男を勇気づけたのかということにも気づかせてくれた。


このうれしい後日談を、次のAdlerjalaでお話ししたいなあと思っている。
きっとメンバーさんたちは、私と共に喜んでくださるはずだ。


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by Inahoadler | 2016-03-18 22:47 | Comments(0)