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別次元での協同

次男が動き回るようになって、息子たちが2人で遊ぶようになった。


ある日長男がけん玉で遊んでいた。
近くで次男がハイハイしているので、危ないからやめてほしいなと私は思った。
私 「しゅんすけにぶつかったら痛いでしょ、そうやって遊ぶのは危ないから、
   振り回す遊び方をやめるか、別のお部屋でするかしてくれない?」
長男「あ、そうか。じゃあ危なくないようにここで遊ぶ!」
けん玉でどうやって危なくない遊びができるんだろうと怪しみながらも、
とりあえず長男の様子を見守ることにしてみた。
危なくなってからやめてもらうこともできるし、
その前に長男がけん玉で遊ぶのをやめるかもしれないし・・・

長男は「しゅんすけ、これは危ないからね、気をつけてね。」
と言いながら、けん玉の玉を地面すれすれに浮かせて、次男の方に近づけた。
次男ははしゃいでけん玉の玉をつかもうとする。
「ぼく釣りしてるんだ〜。しゅんすけもう少しもう少し!」
次男が玉を嬉しそうにつかむと、
「やったあ!しゅんすけ釣れた!」
長男は次男を後ろから抱きしめた。
「しゅんすけの丸焼き〜いただきま〜す♪あ〜おいしかった!
 はい、じゃあこれは危ないからお片付けするね〜」
長男は次男からけん玉を取り上げて片付けに行った。
残された次男もご機嫌で他のおもちゃで遊び始めた。

私は次男からけん玉を遠ざけてほしかったので、
2人がけん玉で遊ぶのは嫌だったけれど
長男の「釣り」には思わず笑ってしまった。
しゅんすけは自分がまさか食べられているなんて思っていないだろうけど(笑)、
お兄ちゃんに遊んでもらって嬉しそうだった。
長男はもう自分で、何が危なくて何が安全かを考えられるようになっているようだ。
子どもは思わぬ危ない遊び方もするけれど、
同様に、思わぬ安全な遊び方も考え出す。


ある日、長男が次男と一緒にチラシをちぎっていた。
通り道がなくなるまで散らかしたので、
私は「ここ通れないから、ちょっとまとめてくれる?」と言った。
長男「うんいいよ!じゃあしゅんすけ、このお皿に入れてください!ピザ作ろう!」
長男は紙切れを拾い集めて、容器に入れ始めた。
珍しく次男も長男の誘導に従って、紙切れを入れている。
長男「そうそう、しゅんすけ上手だねえ!」
私 「2人ともありがとう」
しかしその平和は長くは続かず・・・

長男「お母さん!しゅんすけがお皿取った!」
   案の定長男は次男に対して怒り始めた。涙目である。
私 「あーそうなんだ。でも片付けてくれてありがとう。
   これぐらいだったら通れるから、しゅんすけが散らかしちゃってもいいよ」
長男「違うの、お皿はこっちに置かなきゃだめなの!」
   長男は次男から容器を取り返してソファーの下に置いた。
   泣き叫ぶ次男。
   私は陰性感情が噴出。
私 「ねえこうすけ、しゅんすけに優しくしてあげてよ。」
長男「だって、ピザ作ってるんだもん!」
私 「お皿に入れれたじゃない、ピザできたんでしょ?」
   私もムキになっている
長男「違うよ、まだだよ。今ここのオーブンに入れて焼いてるの!」
私 「・・・あ、それオーブンなんだ」
   長男の遊びには段取りがあってまだ続いていることがわかったので、
   私は反省して口出しをやめようと思った。
長男「そうだよ。ちゃんと焼かなくちゃ。」
   長男は少し機嫌を直して、ソファーの下をのぞきこむ。
長男「・・・はい、焼けました!しゅんすけさん、ピザどうぞ!」
   長男は泣いている次男に紙切れを入れた容器を差し出した。
   次男は泣き止み、嬉しそうに紙切れを床の上にひっくり返した。
長男「おいしいですね〜もぐもぐ!」

長男は次男がひっくり返すのをにこにこしながら見て、
自分も床に紙切れをばらまきながら、一緒にピザを食べて満足そうにしていた。
私は長男は次男と一緒に遊びたいんだとわかって嬉しくなった。

長男には彼なりの段取りがあって、それがうまくいかないと怒るようだ。
しかし自分のシナリオに沿っていれば、
私から見れば同じように邪魔をしていると思えるような次男の行動だが、
許容できるものもあるらしい。
そして次男の行動によって遊びが広がっていく場面もあるようだ。
次男にはそんなつもりはなく、ただ自分のしたいことをしているだけなのだろうけど
長男は次男が一緒に遊んでいると認識している。
これもまた、彼の仮想の世界なのだ。



ある日、低い机(天板の高さが約40cm)の下に長男が潜り込んで、
「ここ、秘密基地!」と宣言した。
「しゅんすけ、秘密基地でサーカスが始まるよ!おいで!」と言いながら、
長男はボールやぬいぐるみをどんどん机の下に押し込んでいく。
次男も喜んで机の下に潜ったり、出たりを繰り返していた。
私 「サーカスって、ぬいぐるみさんたちがするの?」
長男「ううん、しゅんすけがサーカスの人なの」
私 「へえ〜(笑)」
次男は箱からぬいぐるみを次々引っ張り出している。
長男「ほらね、しゅんすけは今お客さんを呼んで来てくれてるの♪」

次男のおかげで、長男の遊びは無限に広がっていくようだ。

by Inahoadler | 2015-11-08 17:06
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